Club Interview vol.008 女子ラクロス部 キャプテン 鈴木 理香子(すずき りかこ)さん 心身科学部

部員46名。東海地区1部リーグ所属。毎年、夏のリーグ戦に向けて週4回の練習を重ねる。キャプテンなど幹部が中心となり、メンバー育成からチーム創りまで大所帯をリードする。3年連続東海リーグ決勝まで進出するも惜敗、涙をのむ。今年こそ全国大会出場めざす。 仲間の支え。幸せな毎日。

01 ほとんどの部員がラクロス未経験者

ラクロス部について教えてください。

部員は46名。1年生が18名、2年生が8名、3年生が8名、4年生が10名です。(平成24年11月現在)。1人を除く全員がラクロスの未経験者で、中には、スポーツ自体が初めてな人もいました。

ほぼ全員が未経験者なんですね。

はい。ほとんどの部員がラクロスのルールさえ知らずに入部していることになりますね。 ラクロスは高校生には馴染みのないスポーツですが、大学から始めるスポーツとして、非常に人気が高いです。

鈴木さんは何かスポーツをしていましたか?

高校の時はバトントワリングをしていました。 幼少の時は、 クラッシクバレエ、 中学の時はバスケットボールをしていたので、 スポーツ自体が初めてというわけではありませんが、 それでもブランクを感じていました。

入部の動機は何だったのでしょうか?

4月のクラブ・サークルの新入生勧誘がきっかけでした。 先輩方が本当に熱心で、 良い人ばかりなので、 一緒にラクロスをやりたいと思ったのです。 さらに、 頑張れば、 20歳以下(U20)でラクロスの東海地区選抜の選手になれることを聞いて、 やるならトッププレイヤーを目指そうと、 その気になり入部しました。

モチベーションが高い!

高い目標を目指した方が充実すると思いましたし。U20東海選抜の目標が達成でき、その試合でも得点することができたので良かったです。

ラクロスのルールについて簡単に教えてください。

1チーム12人のプレイヤーが、クロスと呼ばれる先に網のついたスティックを使い、直径6cmの硬質ゴム製のボールをパス&ランし合いながら自由にかけめぐり、点を競い合います。1試合の時間は25分×2の前後半戦(ハーフタイム10分)。オフェンス時は7人まで、ディフェンス時はゴーリー(※)を含め8人で守ります。
(※)ゴーリー:ゴールを守るキーパー。

見た目、ずっと走っている感じがします。

そうですね。それに加え、味方、相手チームの状況がめまぐるしく変化し、その場に応じて、攻守していくことになるので、常に次の場面を想像する洞察力と、その場の適応能力が必要だと感じています。

ラクロスをしていて大変だと思うことはありますか?

ラクロスは接触も多いスポーツですので、ケガにも十分な注意が必要です。全員プレイに集中しているので、どうしてもケガする時はしてしまいますが、それでも不用意なケガはしないよう、日頃から気をつけています。

02 一つになり全員でチームを創り上げる

普段の練習内容を教えてください。

週4~5回、主に学内の第4グランドで活動しています。グランドは人工芝になり、練習環境が整ってきました。平日は、早朝、講義終了後、週末は半日練習します。

どのようにラクロス部を運営しているのですか?

組織は、キャプテン、副キャプテン、オフェンスリーダー、サブリーダー、ディフェンスリーダー、サブリーダーから成る幹部が中心となって部を運営していきます。また、育成担当も各学年にいて、主に1年生の教育、育成していきます。

監督やコーチはいないのですか?

監督はいません。 コーチは毎年、 部員自らが探し出し、 指導をお願いしに行きます。 コーチも社会人で、 もちろんラクロスもしていますので多忙ですが、 私たちの熱い気持ちを伝え、 快く引き受けてくれました。

コーチのスカウトも自分たちでするのですね。

はい。良いコーチに巡り合えるかどうかは、チームが強くなるために重要です。今年は男女それぞれのコーチに恵まれ、本当に感謝しています。

部員全員が協力しあい、一からつくり上げている感じがします。

そうですね。新入生が自動的に入ってくるというわけではありません。全てが春の新入生勧誘にかかっています。今年は18名という多くの新入生が入部してくれました。幹部をはじめ、部員全員がどうしたらラクロス部の魅力が伝わるかと何度もミーティングを重ねました。その気持ちが伝わり、本当に嬉しかったです。

03 個人の力よりチームの力。3年連続の決勝進出。

大会は年に何回かあるのですか?

いえ。8月から始まるリーグ戦が一度、あるだけです。そこで優勝すれば、全国大会に参加できます。そのために日頃の練習や練習試合を重ねます。

今年の成績は?

東海ラクロスリーグ戦を勝ち抜き、決勝進出です。今年で3年連続決勝進出、明日、全国大会をかけ、決勝戦が行われます。(取材日 平成24年11月9日)

凄いですね。

実は今年、6月までの練習試合では、一度も勝てることができませんでした。ケガ人が続出したことも原因の1つですが、何よりも気が引き締まっていなかったのだと思います。

苦しい時期があったのですね。

苦しかったのは部員だけではありません。引き受けてもらったコーチも一緒になって辛い時期を過ごしたのです。ただこのチームなら必ずできると思いましたし、あきらめたくありませんでした。

どうやってその辛い時期を乗り越えたのですか?

日々の練習をしっかりするのは当たり前ですが、コーチからは、人間性を高めることも大切なことだと指導されています。その言葉を思い出し、部員とミーティングを重ね、改めて、挨拶の大切さ、ありがとうの感謝の気持ちを忘れず、相手に伝える。気がついたらゴミを拾うなど、人としての基本的なことも、おざなりにせず、大切にするようにしました。

人としての基本。大事なことですね。

その結果、部員一人ひとりが人間性を高める自覚を持ち、行動していくことで良い変化が生まれてきました。チームも一つになり、試合も勝てるようになって今日を迎えることができています。みんなに感謝しています。

よく乗り越えましたね。

継続は難しいです。うまくいかず辞めたくなることも正直あります。ケガで試合に出ることができない、レギュラーに選ばれない、伝えたいことが伝わらない、部活と学業で遊べない、バイトもできない、ひょっとしたら苦しいことの方が多いのかもしれません。でも、なぜ、みんなこのチームにいるのかと言えば、その気持ちを共にできる、分かり合える、仲間がいるからです。みんなに出会えたこと。いつも笑顔でいられたこと。それが何よりも大切な宝物です。

結束力がありますね。

そのエピソードの1つとして、集客試合が思い出されます。その名のとおり、自分たちでチケットを売り、応援に来てもらうのですが、部員は少ないのに、東海地区1位になることができました。みんな一生懸命、いつも何に対しても全力なんです。私たちの試合に、足を運んでいただいた皆さまに感謝、そしてラクロス部を支えてくれている皆さまに感謝をしています。私たちは本当に幸せです。

最後にひと言。

笑顔が素敵な人はラクロス部へ。大学生活4年間で得られるものは、計り知れないものです。4年間、ラクロス部で活動できて本当に良かったですし、私が笑顔でいられるのも、みんなのおかげです。この場を借りてお礼を言わせてください。ありがとうございました。

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取材を終えて

取材をしたのは、リーグ戦決勝の前日でした。試合前、最後の練習は観ているこちらが緊張し、手に汗を握りました。満身創痍(まんしんそうい)の中、全力でプレイするその姿には、心を打たれました。その後のメンバー発表。試合に出場できるのは限られたメンバーです。それでも全員が支え合う姿は、大学スポーツの醍醐味を感じました。決勝は惜しくも負けてしまいましたが、その清々しさは充実したクラブ活動を象徴しているように感じました。彼女たちは、ラクロスを通じて豊かな人間性を育んでいます。一生懸命って本当にカッコいいですね。貴重な時間をありがとうございました。来年こそは全国へ。期待しています。