その国や地域を知ることは、その背景を知ることから。

吉田 萌(よしだ もえ)さん 文学部 英語英米文化文化学科1年(※2015年4月「国際文化学科」より名称変更)

愛知学院大学の国際文化学科で学びたいと思った理由は何でしょうか。

「いろんな国の文化に触れてみたい」というのが一番の理由です。その思いの源を探ると、幼い頃に家族で行ったオーストラリア旅行に行き着くように感じます。初めて足を運んだ海外の地には、日常生活の振る舞いなど、日本とは多様な点で異なる文化があり、非常に驚いたことを覚えています。国際文化学科では、海外の様々な文化に触れたり、それについて考えたりすることができるので、ぜひ学びたいと思いました。

実際に、国際文化学科で学んでみて、いかがでしたか。

楽しいです。いろんな国へ行ってみたくなります。ただし、海外へ行く際には、必ず事前にその国や地域が持つ今日までの歴史を学んでおきたいです。世界の中での歩み、日本との関係など。それを知っているかどうかで、国や地域の見え方は全く変わったものになりますから。

確かに、背景を知っているかどうかでアプローチの方法が大きく異なるでしょうね。

はい。もちろん、歴史の内容によっては悲しくなることもあると思いますが、それ以上に、行った国や地域を真に理解できる喜びがあるはずなのです。例えば、グアム。その地名だけを聞くと、南国リゾートのイメージが浮かびますが、かつては、日本軍が航空攻撃を行い、日本の領土としていた歴史があります。それがわかっていれば、風景の眺め方や、現地の人々への接し方も変わるでしょう。それこそ、理解しているからこその会話ができるかもしれません。さらに英語力が堪能であれば、より深い楽しさが得られると思います。

英語は得意なのですか?

それほど得意ではないので、海外の文化に深く触れるためにも、今後はさらなるレベルアップを図っていきたいと思っています。来年度から国際文化学科のカリキュラムが変わり「英語英米文化学科」に生まれ変わります。より英語力の向上がしやすくなるので、頑張りたいです。


2015年4月に誕生する「英語英米文化学科」について。

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「英語英米文化学科」について教えてください。

2015年4月に国際文化学科が生まれ変わって誕生する「英語英米文化学科」は、英語の基礎・応用力の向上をベースに、「英語」と、英米をはじめとする英語圏の「文化」を探求する学科です。具体的には、TOEICスコアの200アップを目標として定め、その英語力を使って、英語圏の文化を、歴史、社会、文学、言語学などの観点から探ります。私も、TOEICのスコアを上げるために、基礎力を再度見直したいです。

異文化学修についてはどんな学びが用意されているのですか。

多様な文化について、ネイティブの先生が英語で講義を実施し、学生自身も英語で多彩なテーマについて調査していく「Culture through English」という科目があります。それぞれが学んだことについて、英語で自分の意見をプレゼンテーションするスキルを養えます。

4つの学びの領域があると聞いています。

「アメリカ文化領域」「イギリス文化領域」「英語圏文化領域」「英語研究領域」が用意されています。英語英米文化学科の学生は、それぞれの領域について深く学びながら、自分の卒論テーマを決め、深く掘り下げて調査していくのです。

海外での現地研修などは、あるのでしょうか。

「English Culture Tour」と称した独自の研修プログラムが用意されており、アメリカ、イギリス、アジアで現地の学生や街の人々と触れ合い、現地の社会や文化を学べます。英語の研修だけでなく、英語を話す人々の多様な文化、社会の特徴を現地で体験できます。現地が歩んできた時間や、現地の人と触れ合いながら、本当の文化を実感できるのは、非常に勉強になるし、大きな価値を持つことだと感じます。


4歳から続けているシンクロナイズドスイミング。

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シンクロナイズドスイミングをされていると聞きました。先日、大会があったばかりだとか。

はい。8月の上旬に、日本シンクロチャレンジカップ2014に出場し、メダルを獲得しました。日々、厳しい練習をこなすのは大変ですが、大会で入賞するなどの成果を残せると、大きな達成感が得られるので、また次のステップに向けて頑張ることができます。

凄い!おめでとうございます。ところで、シンクロはいつからやっているのですか。

自分自身の記憶はないのですが、生まれて6ヶ月くらいからベビースイミングスクールに通っていて、シンクロについては、4歳の頃から始めました。スイミングスクールの先生から、「やってみませんか?」と誘われたと、親から聞いています。それからずっと続けています。

どのくらいの頻度で練習をしているのでしょうか。

週におよそ4~5回です。平日は、大学の講義があるので3時間ほど。土日は全体で8時間の練習時間中に、休憩の2時間を途中に挟んで、3時間ずつ、合計6時間の練習を行っています。シーズンオフはないので、1年中、やっています。

練習がしんどく感じる時などないのでしょうか。それを乗り切る方法は。

基本的に、息ができず、足の着かない状況下でのスポーツなので、しんどいですよ(笑)。また、思い通りに技ができない時や、練習の内容が濃い時などは、精神的に大きな疲れを感じます。そんな時には、気持ちを切り換えるために他のことをするようにしています。例えば、キャッチボールをしたり、バッティングセンターに行ったりします。

野球が好きなのですか?

スポーツは、大体、何でも好きですが、野球については名古屋ドームへ試合を観戦に行くこともしばしばあります。いつも球場で感心せずにいられないのは、プロの選手が持つハートの強さ。良いプレーをした時は、大歓声が選手に贈られますが、打てなかった時は何万人もの観客から一斉に溜息をつかれるわけです。よく心が折れないな、としみじみと思います。試合で観客の前に立つ時間はわずかですが、その背景には、技術的な練習と同様に、心を強くするためにトレーニングする日々が存在するのだろうと想像しています。


同じアスリートだからこそ想像する、背景にある努力。

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同じアスリートだからこそ、背景にある努力の日々について思いを馳せてしまうのでしょうか。

そうかもしれません。でも私については、自分の力以外に、周囲からも支えられているおかげで今があるように感じています。多くの人がそうらしいですが、中学校くらいの頃に、「シンクロをやめたい」と思いました。小学校の頃は、練習の苦しさよりも新しい技術などへの好奇心のほうが勝っている場合が多いのですが、中学生になると、高校生の選手たちと比べられたりし始めるなど新しいプレッシャーが生まれます。同時に練習も一層厳しくなります。しかし、精神力が未熟なので、心が折れそうになるのです。

そんな時、吉田さんは誰かに支えてもらったということですね。

まず、周囲の友人たちに支えてもらっていました。ふり返ると、同じスイミングクラブの仲間や、学校の友だちの励ましや応援の声に、随分と助けられていたように思います。もちろん、両親からの支えもありました。しかし、それは、言葉で何か言ってくれる以上に、「シンクロをここまでやらせてくれたのだから」という、感謝が、私に大きなやる気をくれました。両親のおかげで、中学3年生の頃には、海外遠征にまで出られるようになっていたわけですから。

これまでに、海外遠征でどこの国に行ったのでしょうか。

中学3年の時にチェコへ。高校2年の時には、ギリシャへ。そして、最近では昨年の5月にスイスへ行きました。世界中からハイレベルな同世代の子たちが集まってくるので、非常に触発されますよ。

海外の選手と友だちになれたりもするのでしょうか。

はい。私が海外遠征に出かけていた時ではなく、海外の選手が日本の大会に来ていた時に知りあったのですが、ウズベキスタンの選手の子たちと友だちになりました。それほど頻繁に連絡を取り合っているわけではないですが、時々メールなどを送り合います。海外の友人ができると、少し視野が広がりますね。


夢は、2020年の東京オリンピック出場。

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夢はやはりオリンピック出場ですよね。

2016年のリオデジャネイロオリンピックはちょっと難しいと思いますが、2020年の東京オリンピックには、ぜひ出場したいですね。ただ、6年後は自分もどうなっているかわからないので、あくまでも、夢です。でも、頑張って夢を実現したいと思っています。

そのために乗り越えるべき課題とは何だと思いますか。

2つ、あります。まず、もっと強い身体と心をつくらないといけないですね。先述したプロ野球の選手は一例ですが、やはり、一流のステージに立つ選手は一流の技術と精神力を身につけています。どちらか片方だけではダメです。両輪がそろっていてこそ意味があると考えます。

もう一つの課題は何でしょうか。

憧れられる選手になることです。憧れられる、というのは、実績の話だけではないと思うのです。歩んできた道のりや、抱えている背景があって、その上で成果を収めることで生まれる輝きではないしょうか。だからこそ、オリンピックに出る選手たちは、当たり前のことにように憧れられる輝きを持っているのではないかと思うのです。

では、最後に高校生にメッセージをお願いします。

私が国際文化学科を選んだ一番の理由は、他国の文化にもっと触れてみたかったからですが、それ以前に、シンクロとは全く異なる分野について勉強してみたかったという思いがありました。挑戦して本当に良かったと思っています。愛知学院大学には、多様な学科があり、多様な先生がいます。そして、全国から集まった様々な学生がいます。新しいことへのチャレンジを受け止めてくれる、学びや人、場所が必ずあるのです。ぜひ思い切ってやりたいことを実行する4年間にしてください。

※2015年4月「国際文化学科」より「英語英米文化学科」へ名称変更


取材を終えて

撮影時の「笑ってください!」という難しいお願いに、何の抵抗もなく笑顔をくれた吉田さん。堂々とした佇まいと、落ち着きある表情に驚かされました。でも、インタビューをして、もう一度驚かされたのです。質問に回答する際の吉田さんは、撮影時と打って変わって、感情を込めながら喋ってくれました。つまり、撮影でも、インタビューでも、その場の状況を瞬時に読み取りながら、最適な対応をしてくれていたのではないかと思うのです。今、目前にある風景だけを捉えるのではなく、その背景にある目的や考えを大事にする。そんな吉田さんの姿勢は、シンクロや学びだけでなく、日常的にも自然に表れているのかもしれないと感じました。トップアスリートだから、というよりも、日々、厳しさを乗り越えてきたからこその人間の魅力だと思います。吉田さんがまだ18歳だということに、これを書きながら気付き、もう一度驚いています。今回は、貴重な時間を本当にありがとうございました。どうか身体に気を付けて頑張ってください。

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