保健体育教諭の免許だけでなく、多様な側面から学びを得られる。

岩田絵莉佳(いわた えりか)さん 心身科学部 健康科学科2年

進学先に体育・スポーツ分野を進んだ理由を教えてください。

スポーツに励む子どもたちを指導者として支えたいと思ったからです。私は、高校時代、未経験ながらに女子サッカー部に入りました。経験者の友人に追いつこうと、部活が終わった後に残って練習した記憶があります。3年生の時には、最後の大会を控えたタイミングでケガをして悔しい思いをしました。このように、負けたくなくて頑張ろうとする強い気持ちや、逆境にぶつかっている子どもたちをサポートしたいと思いました。

愛知学院大学の心身科学部健康科学科でなければいけなかった理由を教えてください。

保健体育教諭を目指せるのはもちろん、心理学やリハビリテーション医学など、心と身体の両側から健康づくりについての学びを修得できるからです。心身のメカニズムに関する専門知識をもとに、子どもたちを支えられることに魅力を感じました。

入学してみていかがでしたか?

選択は正しかったと感じています。1年次は、座学中心のカリキュラムの中で、「もっと身体を動かしたい」という思いもありましたが、「健康医学入門」や「健康心理学入門」など期待していた学びに触れ、知識を積み重ねていくことが楽しかったです。2年次に入ってからは、実技や演習といった身体を動かしながら学ぶ講義が増え、一層、充実度が増しています。


資格取得や就業力養成に直結する3つのコース。

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心身科学部健康科学科について教えてください。

医療、福祉、教育、健康増進などの分野で人々の健康づくりをサポートする指導者を育成する学科です。 資格取得や就業力の養成に直結する3つのコースが設定されています。 私が選択したのは、保健体育教諭や健康づくりの指導者を目指す「 スポーツ科学コース 」。 その他には、養護教諭を目指す「 健康開発科学コース 」と言語聴覚士を目指す「 言語聴覚科学コース 」があります。

入学時から3つのコースに分かれるのですか?

2年次から分かれます。1年次は、人間の身体を理解するための基礎的な学びと、各コースの基礎的知識を修得。また、社会における幅広い考え方を養う一般教養の科目を数多く履修する期間となります。

各コースの特色を教えてください。

私の選択した「 スポーツ科学コース 」の特徴の一つは、学んだ指導法を実践できる場所が多いことです。実技科目における運動プログラムの計画・実践をはじめ、TA(ティーチングアシスタント:先輩学生によるサポート制度)などを通して、保健体育教諭や健康運動指導士に必要な指導力が養えます。「 健康開発科学コース 」では、専門科目と併せて運動・スポーツや健康指導に関する科目を履修することで、子どもたちへの積極的な関わり方を学ぶことができます。「 言語聴覚科学コース 」では、少人数制の強みを活かし、達成したレベルに応じたきめ細かい指導を行うことにより、徹底した国家試験対策を行っています。

どんな資格を取得できるのですか?

めざす職業に合わせて必要な資格を取得することができます。スポーツの指導者を目指す私は、中学校教諭一種免許状(保健体育)、高等学校教諭一種免許状(保健体育)、健康運動指導士受験資格、健康運動実践指導者受験資格などの取得をめざし日々勉強しています。


理解力は人それぞれ。だから、教えることは難しい。

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これまでに受講した中で特に印象にのこっている講義を教えてください。

「スポーツトレーニング演習」という講義が強く印象に残っています。この講義では、ストレッチや自分の体重を使った筋力トレーニング、バーベルを使ったフリーウェイトトレーニングなどについての指導法を学びます。先日、腹筋運動を4~5名の学生を対象に、実際に指導するテストがありました。決められた時間内に、説明し、見本を見せ、声をかけ、リードをとります。終了後、教える相手に対してどれだけスキル(技能)を伝えられたか、学生と先生が評価します。

スキルが伝わっていないといけないとなると、大変ですね。

はい。からだを動かしながらずっと話を続けるのも難しいですが、できるようになってもらうことはさらに難しいことです。理解力には個人差があることを前提に置き、様々な人に合わせて丁寧に教える姿勢が大事です。

「教える」って難しいですね。

難しいですが、それが指導者としての役割であり、それだけに、できるようになってもらえた時の喜びは大きいと思います。今、「運動学」という講義を受けていますが、その中で、「教える相手の目線に立つことの重要さ」を学んでいます。どんな人にもスムーズに動き方をわかってもらうために、例えば「生まれたばかりの赤ん坊にはどんな世界が見えているのか」など、人間の運動について多様な側面から学修しています。

赤ん坊ですか?教える範囲が幅広いですね。

そうですね。運動による健康づくりは、全ての年代に必要なことです。愛知学院大学の心身科学部健康科学科では、赤ん坊から高齢者まで生涯を通じた心身の健康づくりをカリキュラムの基盤に据えています。様々な講義を受ける中で、私は入学時に持っていた夢がちょっと変化してきました。


広がる視野。今、将来の夢はエアロビクスのインストラクター。

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では、今いだいている将来の夢を教えてください。

もともとは保健体育教諭になりたいと思っていましたが、「健康運動指導実技」という講義を受けている中で、エアロビクスのインストラクターという選択も考え始めました。この講義では、効果的で安全なエアロビクスの指導を行うスキルを身につけます。少子高齢化する現代、エアロビクスは、健康づくりにおいて大きな可能性がある運動だと思います。

面白い考え方ですね。

エアロビクスは、子どもはもちろん、 中年の男性など、 どの年代でもできる運動です。 幅広い年齢層の方に運動の楽しみや効果を伝えられたら嬉しいです。

教えたい対象が子どもから幅広い年齢層の人へ広がったわけですね。

視野を広げる機会が数多くあるのもこの学科の魅力だと思います。随時、学外のスポーツイベントの企画・運営に携わるボランティアスタッフを募集しています。私がこれまで参加した経験があるのは、プロバスケットボールの大会運営や地域のお祭りの手伝いなどです。近々の予定としては、大学生のエアロビックの大会にボランティアスタッフとして参加します。

スポーツイベントに参加すると様々なことが勉強できそうですね。

はい。普段は見る機会の少ない裏舞台を覗くことができるので面白いですね。集客のための宣伝やスポンサー探し、当日の観客に対するファンサービスのノウハウなど、興味深いことばかりです。地域のスポーツ振興をテーマにスポーツと社会の関わりを学ぶ、3年次のカリキュラム「体育・スポーツ行政学」の予習にもなっています。もっともっと様々なイベントに参加させてもらいたいです!


スポーツ一家で育った。「目標を果たすまで続ける」がモットー。

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ところで、今、フットサルで活躍中と聞きました。

名古屋市内の女子チームに所属しています。女子は愛知県フットサルリーグで上位の成績を収めると東海フットサルリーグに昇格できる仕組みで、最近では2年連続で昇格しています。私は高校時代から守備より攻撃が好きなので、試合ではいつも、相手のゴールに一番近いピヴォ(サッカーで言うセンターフォワード)など前線のポジションでどんどん攻めています。

アグレッシブですね。サッカーの前は、何かスポーツしていたのですか?

昔からいろいろとやってきました。私の家はスポーツ一家で、皆がやりたいと思ったスポーツをためらわずに挑戦してきました。父はアウトドアスポーツが大好きで、母は水泳とテニス、兄は幼い頃からサッカーチームに入っていました。

確かにスポーツ一家ですね!
何かモットーみたいなものもあるのでしょうか?

「目標を立て、必ずそれができるまでやり続けること」です。私はもともと、中途半端なことが大嫌いな性格なので、目標を立てて実行することは全く苦ではありませんでした。幼い頃から空手を習い始め、それと並行して、小・中学ではバスケットボール、高校では女子サッカーをしていました。それぞれのスポーツで目標を立ててそれを成し遂げてきました。考えてみれば、空手は結果的に約10年間続けることになり、ふと気づいたら指導する側に回っていましたね。

最後に、高校生にメッセージをください。

何事にも目標を持って臨むことが大事だと思います。もし、今、将来の目標がなければ、今この時を楽しむことを目標にしてもいい。明日を楽しむのであればそれを目標にして今を頑張ればいい。とにかく、常に目標に向かって歩み続けることが大事。昔、私はスポーツの指導者になる夢を諦めようとした時、先生にこう言われました。「目標を諦めるのは簡単。でも持ち続けることでしか見えない世界がある」。あの時はピンと来ませんでしたが、今は、その意味がよくわかります。


取材を終えて

インタビューの終盤、岩田さんのスポーツ経歴を聞いて驚きました。空手に、バスケに、サッカーに、エアロビクス。本文には書いていませんが、実はダンスもやっていたとのこと。そんなに多くのスポーツに挑戦して、どれも片手間にせずに取り組むことができるものなのか、と。でも、岩田さんのご家族のモットーでもある「目標」について聞いて、納得しました。全てに目標を据えていたから、どれも中途半端にせずにやり抜いてこれたんですよね。今、「教える相手の視点に立つこと」がスポーツ指導者に重要だと知った彼女が、物事を続けるために必要な「目標」を、いかに教える相手に伝えていくのか。非常に楽しみであり、期待せずにはいられない自分がいます。愛知学院大学心身科学部健康科学科の恵まれた環境で、視野を広げ、進化していく岩田さんを陰ながら応援しています。貴重なお話をありがとうございました。

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