「ビジネス」×「情報」 その両領域を学ぶ。

影山 朝子(かげやま あさこ)さん 経営学部 現代企業学科 3年生

商学部ビジネス情報学科について教えてください。

「ビジネス」と「情報」の領域を組み合わせ、ビジネスの情報化に対応する新しいタイプの学科です。商学の基礎的な理解の上に情報に関する知識・技能を身につけていき、高度情報化、複雑化が進むビジネス社会に適応できる力を養います。また、将来の希望進路に応じて、「経済・ビジネス」、「ビジネス・ファイナンス」、「情報システム」の3つの履修モデルが設けられています。

近藤さんがこの学科を選択した理由を教えてください。

大学では、将来就職する際に、直接、役に立つことを学びたいと思いました。そういった意味では「ビジネス」と「情報」、その両方の領域を学べることが良いと思い、このビジネス情報学科を選択しました。

「ビジネス」×「情報」は社会ニーズでもありますね。

ビジネスと情報の関わりは、以前に比べて密接なものになっていると思います。 ということは、情報に関する幅広い知識と、その情報をビジネスに活かす実践的な能力が必要です。 そもそも、商学部の学びは、会計や金融、流通やマーケティングのことなど社会で必要な実学的なものです。 ビジネス情報学科では、それに情報が加わるので、情報化社会に役立つビジネス的な学びが得られると感じました。

入学前、ビジネス情報学科ではどんな能力が身につくと想像していましたか?

パソコンで文章を書いたり、表計算をつくったりする能力はあがるだろうと感じました。またインターネットの活用、プログラミング、プレゼンテーション能力など社会に出ても必要な能力が身につくだろうと考えていました。実際、それらのスキルは格段にあがったと思います。

大学に入る前から大学生活は頭の中で描けていたのですか?

いえ。やはり漠然としていましたね。実際、大学入学当初も戸惑いはありました。


印象に残ったビジネス情報学科の授業

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大学に入学して、何か高校までとの違いを感じましたか?

高校までの科目は、例えば「英語」と聞くだけで、何を学ぶかが理解できました。ところが大学の科目は「プログラミング」など、今まで自分が聞いたことも、もちろん経験したこともないようなものが多く、科目名だけを見ていても何を学ぶか理解することができませんでした。また、時間割も自分で選択して履修していきます。それが高校までとは全く違うことで最初は戸惑いを感じました。

入学当初の授業の印象はいかがでしたか?

私は普通科出身なので、例えば1年次で選択した簿記も全くの未経験者です。やはりわからないことも多かったです。

確かに簿記は普通科では縁がないですからね。

ただ、もともと私は新しいことにチャレンジしていくことが好きです。今まで知らなかったことがわかってくるからです。そういった意味では商学部での授業はどれもが新鮮で楽しく感じることばかりでした。

1年次はどのような授業を受けましたか?

必修科目の「情報処理概論」の授業では、ワード(文章作成ソフト)やエクセル(表やグラフの計算ソフト)の基礎を学びました。高校まではあまりパソコンを使いませんでしたが、大学に入ってからはレポートの作成なども含めパソコンを使う用途と頻度が増えました。

他にも商学部で学ぶ7つの学問領域(流通、マーケティング、経済・ビジネス、会計、金融、情報、国際)の基礎である「商学入門」などの必修科目がありました。1年次の授業は、商学を幅広く学び、その全体象を把握していきました。どれもこれまでに経験したことのない学習でしたので、とても興味深かったです。

2年次で印象に残っている授業は?

「プログラミングⅠ」の授業を通じて、Java(※1)の基礎を学びました。プログラミングの結果、コンパイル(※2)されたものが表示される画面では別のものが表示されて動くということを実際に体験し、習得しました。

(※1) Java : 携帯電話のシステムから企業の情報システムを担う大規模なサーバやスーパーコンピュータまで、 非常に多くの分野で活用されているプログラミング言語
(※2) コンパイル : プログラミング言語で書かれたプログラムをコンピュータが直接実行可能な機械語のプログラムに変換すること

プログラミングの授業は難しくなかったですか?

正直、簡単ではないですね。ただ、こういった情報処理技能も身につけることがこの学科へ来た目的の1つでもあるので、とにかく前向きにチャレンジしました。ありがたいことに、先生もスライドでプログラミングの仕組みをわかりやすく解説してくれるなど、非常に丁寧な指導をしてくれましたので前向きに取り組めました。

プログラミングIでは知識を身につけるだけですか?

いえ。私たちは、その先生の解説に基づいて実際にプログラミングしていきます。教えてもらった範囲ができたら、次のステップへ行くためにさらに先生の指導。その流れを繰り返し、徐々にプログラミングの技術をステップアップさせていきました。

特に難しいと感じたことは何だったのでしょうか?

プログラムをたった1文字、間違えただけでもエラーになり、正しく動作しないことです。自分としては正しく打ち込んでいるつもりなので、間違っているところを中々見つけられないんですよね。見つかると、案外、単純な間違いだったということが多いのですが・・・。どちらにしても「自分がつくったプログラムで何かが動く」そのこと自体にとても感動しました。

充実しているように感じます。

やはり、知らないことがわかっていく過程の中で、新しい発見やさらなる楽しみが生まれていき興味が深くなっていく。好奇心が旺盛な私にとってビジネス情報学科の授業はどれも充実したものでした。


聞く相手が変わることで、伝え方を変える。

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ゼミではどのようなことを学びましたか?

吉田聡先生のゼミに所属しています。2年次の秋学期から始まり、マルチメディア講義室(※)を利用して、インターネットビジネスとネットワークコミュニケーションについて学びました。

(※) マルチメディア講義室(Room21st.Com) : 5名の学生が1台のパソコンを囲み、マイクとカメラを通じて複数の学生がアイデアを出しあい形にまとめるプロジェクト型の学習が可能な商学部独自の施設

具体的にどのようなことを学んだのか教えてください。

パソコンのソフトウェア(Microsoft Office、インターネットツールなど)の使い方から、基本情報技術者試験(※1)・ITパスポート試験(※2)など、情報処理技術者試験の国家資格取得も目指しました。他にも、Web2.0(※3)、SNS(※4)、セキュリティ対策、プログラミング、自動車のブレーキシステムなどです。

(※1) 基本情報技術者試験 : 主にプログラマ向けの国家資格
(※2) ITパスポート試験 : パソコンを含むシステムに携わる・利用する人誰もが共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識を測る国家資格
(※3) Web2.0 : 誰でもがウェブを通して情報を発信できるように変化したWeb
(※4) SNS : 友人・知人間のコミュニケーションを円滑にする手段や場を提供し、新たな人間関係を構築する場を提供する、会員制サービス

まさに「ビジネス」と「情報」の領域に特化した学びということですね。

はい。ただ、情報化社会に向けた知識と技術というハード面を習得するだけではなく、コミュニケーション能力というソフト面も養うため、研究結果をみんなの前で発表する機会が多くありました。

なるほど。どのような研究を行い、発表したのでしょうか?

2年生の3月に行われた春合宿では、3人1組の5グループに分かれて、グループごとに与えられた課題に対して研究し、発表していきました。私たちのグループは「ITと医療」という課題を与えられました。


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「ITと医療」。どんな内容で発表しましたか?

電子カルテを中心に発表しました。課題が出てから2時間半という限られた時間で調べ、パワーポイントにまとめる必要があり正直焦りました。課題が与えられるまでは全く知らない内容をまとめ、発表するわけですから。

2時間半なんてあっという間でしょうね。

はい。また発表時間が10分と決められていたため、その制限に発表を合わせるのも至難の業でした。

発表はうまくいきましたか?

はい。みんなで力を合わせて取り組んだ結果、無事に発表することができました。なんとか形になって良かったです。後でみんな振り返ったことですが、なぜその限られた時間の中で発表することができたのか?それは私を含めチーム3人が作業を分担し、グループ内のコミュニケーションを重ねたからだと思うのです。実はみんなの前でプレゼンテーションをするという過程の中で少人数でのコミュニケーション、チームワークも試されていたのだと気づきました。

それは良い気づきがありましたね。

その後も発表する機会は幾度となく与えられました。 例えば与えられた課題を個人で研究し、 発表するというものです。 その時、 私は、「通信プロトコル(※)」について10分間のプレゼンテーションをしたのですが、 最後に質疑応答があり、 自分ではしっかりと調べて臨んだつもりでしたが、 答えられない質問が多くありました。 ここでは準備の大切さを学びました。 またわからないことは、 その場で無理をして答えるのではなく、 後からしっかり調べその結果を報告することが大事なのだと感じました。

(※) 通信プロトコル : ネットワークを介してコンピュータ同士が通信を行う上で、相互に決められた約束事の集合。 例えば英語しか使えない人と日本語しか使えない人では会話ができないように、 対応しているプロトコルが異なると通信することができない。

プレゼンテーションする機会があるごとに新しい発見がありますね。

はい。本当にそのように感じています。ありがたいことに、ゼミの課題研究以外にも、2年生向けに開かれるゼミの説明会など、大勢の人の前で話す機会もありました。200名ほどの2年生の前で、吉田先生のゼミの代表として説明しました。発表はもう何度も経験し、慣れていると思っていたのですが、いざ200名もの人の前に立つと、手も足も震えてしまうほど緊張しました。


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それは緊張しますね。

はい。ただ、時は待ってくれません。200名いますが、1人1人に語りかけるように原稿をなるべく見ないで、前を向いて大きな声でゆっくりと話すよう気をつけました。この発表は、今までとはまた違う気づきを与えてくれました。

あと、 この説明会の後の面接に立ち会ったのですが、 私のことを覚えてくれていた人がいました。 その学生が 「 近藤さんのように人前でしっかりと話せるようになりたい 」 と言ってくれました。 私などまだまだですが、 そのひと言は本当にうれしかったです。

その他にも良い体験はありましたか?

オープンキャンパスの学生スタッフを勤めたとき、高校生や保護者の方々、200名くらいに向けて商学部の説明をしました。人数的には先と同じくらいですが、そのときは保護者の方々もいたので、ゼミの説明会よりもさらに緊張しました。原稿とスライドを使って説明していきましたが、笑顔を心がけたり、写真を表示させたときには一呼吸、間を置いてから話したりと、さらなる工夫をしました。

ここで学んだのは話を聞いてくれる相手が違うことで、また伝え方も違ってくるということです。同じことを伝えるにも、もっとわかりやすい言葉で、さらにゆっくりとしたペースでなどその場に合わせて話すことが大切だと思いました。

聞く相手が変わることで、伝え方を変える。なるほど。

いろんな相手の方にプレゼンテーションする機会を得たことは、本当に私を成長させてくれました。嬉しいです。

ゼミでの他の活動はありますか?

インターネットを利用したコミュニケーションの実践を行いました。先輩方が構築されたゼミのホームページを引継ぎ、ブログ写真館などのコンテンツを、私を含めた3名の広報委員で更新・管理していきました。

これらは誰に向けたものですか?

これからゼミを検討する在学生や進路選択を迷う高校生に向けてゼミの内容や雰囲気を伝えています。

これらの取り組みの中、新しい気づきはありましたか?

書きたいこと、伝えたいことだけ書いても相手には伝わらないということです。相手の立場にたって「どれだけ伝わったのか」ということを考えていくことがとても大切なのだと気づきました。

話すこと。書くこと。伝える基本は同じですね。

はい。どれだけ相手のことを考え、準備し、言葉にしたり話をしたりするのか?その点は共通していると思います。


チームワークが活かされた卒業論文

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卒業論文はもう提出しましたか?

はい。ちょうど昨日(2010年12月14日 取材)提出しました。

どのような卒業論文にしたのでしょうか?

「Javaによるゼミ登録システムの開発」という前年度の先輩たちが構築したシステムを引き継ぎました。すでに形は出来上がっていたのですが、サーバに上がってない状態でしたので、数人でグループを組み、実用に向けて、実際にプログラミングしていきながら、研究経過を論文としてまとめていきました。

なるほど。

それは試行錯誤の連続でした。実際にサーバに上げ、問題箇所を想定し、修正を何度も試みましたが、端末によって動いたり、動かなかったりと、エラー続きで本当に大変でした。夏休みも学校に出てきて実用に向けて励みました。画面上にも表示される状態まで改善することができました。

大きな進歩ですね。

ありがとうございます。 卒業論文の研究を通じて、 何が問題なのか、 どう修正していけばいいのかと、 みんなで情報や知識を共有していき、 同じ方向に向いて試行錯誤をしていきました。 それができたのもチームみんなのおかげですし、 いろんな発表の機会に恵まれ、 相手に伝えることの経験をさせてもらった結果なのだと思います。


就職活動。SEの仕事に内定。

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もうすぐ卒業ですね。

はい。あっという間の4年間ですね。春からは社会人です。

どんな仕事に就くのですか?

企業向けのシステムを製作する会社に就職します。職種はSE(※システムエンジニア)です。就職状況が厳しいといわれる中、希望していた会社から内定が出て本当によかったです。

(※) システムエンジニア : クライアント(依頼者)の要求に応じて、利用可能なハードウェアとソフトウェアから、様々な情報システムの設計と開発を行う。上級システムエンジニア(プロジェクトマネージャー)では、プロジェクトにおいて、チームの責任者として、プロジェクトの計画、推進、管理、監督を行う

SEは最初から希望されていたのですか?

いえ、実はSEという職種を知ったのは、就職活動を始めて愛知学院の就職セミナーに参加してからなのです。それまでは全く知らない職種でした。ただ、このSEの仕事内容を聞いたとき「私がやりたい仕事はこれ!」って思いましたね。

SEの仕事に惹かれた理由はなんですか?

学んできたプログラムの知識や経験を活かすことができること。そしてプレゼンテーションの経験で得たチーム内でのコミュニケーションなど1つのことをみんなで創り上げていく経験が活かされることが挙げられます。もちろん学生の時にこれらのことが経験できたからと言って社会で通用するほど甘くはないでしょう。ただ、先のプレゼンテーションで環境が変わることで、いろんな新しい気づきがあったように、社会でも、さらなる新しい発見が待っているように思うのです。

就職先では入社してまず、どのような仕事をするのでしょうか?

初めはプログラマとしてプログラミングを行い、その後SEへとステップアップしていくと聞いています。まずは仕事を早く覚え、最終的にはSEとなってクライアントの要求に応えるシステムを設計し、開発していきたいです。

最後に高校生や受験生にメッセージをお願いします。

仮に大学を選択するとき、入学するときに具体的な夢や目標がなくても、4年間の大学生活の中で、必ず何かが見つかります。私の場合は授業がきっかけでしたが、愛知学院大学は多くの学生が通う総合大学ですので、さまざまな学部・学科の人がいます。だから授業以外にも、例えばサークル活動などでも、興味を持つきっかけはたくさんあると思います。また、入学当初にはオリエンテーションがあり、自然に友達ができる環境も用意されています。私自身、当初は友達ができるか不安で身構えていましたが、何も構える必要はありませんでした。いろいろな人と出会い、新しいことにチャレンジして、自分の興味を広げていってください。


取材を終えて

情報化時代の現代社会において「ビジネス」×「情報」の複合領域を学びの対象としている商学部 ビジネス情報学科での学びは非常にバランスがとれていると感じました。それは幅広い知識の習得とインターネットや情報処理能力をいかにビジネスに応用できるかを追究しているそれぞれのカリキュラムからも感じ取れます。またマーケティング知識やプログラミングなど技術的なものだけに留まらず、プレゼンテーション能力、コミュニケーション能力を磨くなど、まさにビジネス社会に通じた実学としての学びなのだと理解できました。近藤さんはインタビュー中、こちらが話しかけるタイミングや間を気にしてくれるなど、人の心に配慮した振る舞いをしてくれました。その行動からもこの学部学科が大切にしているものが垣間みることができました。取材前日、夜遅くまで卒業論文に取り組んでいて疲れていたにも関わらず笑顔での撮影&取材。本当にありがとうございました。社会に出てからのご活躍を期待しています。

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