心身科学部 健康栄養学科を選んだ経緯と学科の特長。

鈴木 真代(すずき まよ)さん 心身科学部 健康栄養学科 3年生

心身科学部 健康栄養学科に興味を持った経緯を教えてもらえますか?

大学の進路選択のとき、高校の先生が「管理栄養士(※)に興味はないか?」と話を持ちかけてくれたのがきっかけとなりました。それまでは管理栄養士のことを知りませんでしたが、話を聞くうちに興味を持ちました。また、私はもともと身体を動かすのが好きで、水泳も10年以上続けていました。先生からの助言と私がスポーツ好きだったこと、それがこの学科に興味をもったきっかけです。あと、私たちはこの学科の1期生で、新しい学科というのも魅力の1つでした。

(※)管理栄養士 (厚生労働省のウェブサイトより抜粋)
管理栄養士とは、栄養士法第1条第2項に基づき、厚生労働大臣の免許を受けて、管理栄養士の名称を用いて、①傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導、②個人の身体の状況、栄養状態等に応じた高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導③特定多数人に対して継続的に食事を供給する施設における利用者の身体の状況、栄養状態、利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等を行うことを業とする

健康栄養学科の特長を簡単に教えてください。

健康栄養学科は心と身体の健康を保ち、 病気を予防するために欠かせない「栄養」「運動」「休養」の3つの要素のうち、 「栄養」の面から健康づくりをアプローチしていきます。 メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病が増加する中、 医療や保健の現場における管理栄養士の役割はますます大きくなっていています。 それらの社会背景をもとに、 医学的な見地に基づいた教育プログラムにより、 臨床や保健指導現場で活躍できる管理栄養士を育成するのがこの学科の特長です。

なるほど。

通常、健康栄養に関する学科だと家政的なイメージをもつかもしれませんが、愛知学院大学は総合大学で、薬学部、歯学部など医療系学部さらには歯学部附属病院があるなど、医療現場との関わりが強いのが特長です。実際の患者さんを対象に栄養・運動指導が行えることが、医療現場に強い管理栄養士を目指す人にとって恵まれた環境だと感じます。

そうすると将来は管理栄養士となり医療現場で働くようになるのでしょうか?

もちろん病院や老人保健施設などの医療現場もありますが、メーカーなど研究開発で働く道もあります。私自身、食品関係の企業への就職も視野に入れています。健康栄養学科のカリキュラムは多様かつ専門性が高いため幅広く就職先を考えることが可能です。


学んだ知識を実験と実習で確実に習得する。

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大学入学当初はどんな感じでしたか?友達はできましたか?

大学では高校までとは違い、授業ごとに教室が異なり、基本的には履修する授業ごとに受講する人が変わることになります。そうすると「友達がつくりにくい」と思ってしまうかもしれませんが、健康栄養学科では同学科の学生約80名を2つのクラス、つまり40人ずつで受ける授業が多くありました。さらに、少人数のグループごとで課題に取り組み、発表することも多かったので、すぐに友達をつくることができました。

それは良かったですね。

他の学部学科のことは、わかりませんがこの学科は最初から学生同士の仲が良いと思いますよ。

なるほど。授業はどんな感じだったでしょうか?

1年次は食品と栄養について学ぶための基礎を学んでいきました。例えば、人体の構造から各組織の細胞の構造、たんぱく質など食品の主要成分、各成分の分析や品質評価のための基礎的な知識を習得していきました。その他、調理過程で起こる物質の変化を観察する実験もありました。

実習も1年次からあったのですか?

ありました。「基礎調理実習」の授業では、調理学の理論と実験を通じて、学んでいった知識と1つ1つの基本技術を実際に実習で体感することによって、それらを関連づけて身につけていきました。また、「応用調理実習」の授業では、日本はもちろん、諸外国の人々が用いる食材や、ときには英語で書かれたレシピも使用し、それぞれの調理手法を学んだり、献立の組み方や食材の選び方、扱い方などを習得したりしていきました。

学んだ知識を実験・実習で理解していくのですね?

はい。なかなか理論だけでは理解できなかったりしますよね。それを実験し、最終的に実習していくことでわかってくる。学ぶべき理論があり、それを実験・実習を通じて習得する。本当に理解するためには、学びの流れやカリキュラムのバランスが大切です。そのバランスが愛知学院大学は良いのだと個人的に感じています。

学科名だけ聞くと栄養素の学習や調理の仕方だけかと思っていましたが
違いますね。

はい。医療系、理系科目が多いです。栄養を考えるには人体そのものの理解が必要ですから、その目的に合ったカリキュラムになっています。

2年次はどんな感じだったでしょうか?

1年次があらゆる基礎とすれば、2年次は専門分野の理解を深めるための授業や実験、実習が増えてきます。例えば顕微鏡を用いて赤血球など組織標本を観察して、病態の理解のもとになる知識や血圧や脈拍、心拍数、体温、呼吸数、血糖値などの変化がどのような原因から起こるのかなど、医療に関連づいた実験やカリキュラムも多かったと記憶しています。

3年次のカリキュラムの特長はどんなものでしょう?

ひと言でいえば、実習を通じて管理栄養士に必要なスキルを身につけるのが3年次の実習です。より実践的なものになっていく感じがしました。


印象に残った授業と実習。

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興味深かった授業を教えてください。

まずは「スポーツ栄養学」です。主にスポーツ選手の食事サポートについての授業ですが、例えば、筋力トレーニングを行った後には、牛乳を飲むと効果的であるとか、運動後はレモンなどすっぱいものに入っているクエン酸を取ると疲労回復が早くなるなどといった内容です。私はもともとスポーツが好きということもありますが、運動という身近なことにつながる学びでしたので、とても興味深かったです。学んだ専門的な知識が身近なものに置き換えられて考えられることは、想像しやすいですし、楽しいですよね。

他にもありますか?

大量調理の実習です。この授業では1限から4限まで使い、給食経営管理実習室(※)を利用し、150人分の弁当をつくりました。もちろん、ただつくるだけではなく、しっかりと一日に必要な栄養量の3分の1に設定し、健康面も意識してつくり、実習室の隣にある食堂で販売もしました。

(※)給食経営管理実習室:HACCP(危害分析重要管理点)に準拠した施設。調理を行えるだけではなく、管理室にあるコンピュータで品質や作業の管理を測定でき、品質・作業・財務・栄養管理など、さまざまな経営管理能力を習得するために設計された実習室。

150人分!すごいですね。

量がとても多いので、盛り付けの配分や調味料の加減がとても大変でした。大きな鍋に少しずつ調味料を入れていき、何回も味見をして調整していきました。カロリーや塩分量も考慮しながら調整していく必要がありました。

作業的にも大変なような・・・

さすがに1人で全部の工程をするわけではなく分担して調理していくので、想像していたよりは状況が良かったのですが、それでも大変だと感じました。例えば私がニンジンの千切り担当だったとき、その作業に約3時間かかりました。3時間、ひたすら千切りですよ(笑)。それも150人分ですからね。あれは大変でした。終わったときには手がオレンジ色になっていましたよ。

凄い・・・

もちろん150人分なんて経験したことがありませんからね。貴重な体験でした。


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メニューなどは最初から決まっているのですか?

いいえ、メニューも自分たちで考えます。1班5~6名で構成されていて、班ごとにメニューを考え、試作。それらを他の班の人たちと味や見た目などのアンケートを取って最終的に1つのメニューを決定し、調理・販売していきます。

例えばどんなお弁当を販売したのですか?

メインのおかずが鶏肉でそのほか、ポテトサラダ、コーヒーゼリーなどが入ったお弁当を350円-400円で販売しました。

売れましたか?

はい。その時は大盛況で完売しました。自分たちで考えたメニューを自らが調理し、多くの人に食べてもらえたわけですから、とてもうれしく感じました。また、私たちは単に美味しい、見栄えの良いお弁当をつくったのではなく、カロリー計算をし、栄養バランスを考えた食事をつくり販売したのですから、その点も充実感がありました。

どれくらいの頻度でお弁当の調理・販売をしていたのですか?

1週間に1回です。メニューの考案、調理、販売、反省、片付け。授業がある間は、毎週行っていました。

なるほど。つくって、販売したあとに反省もして次につなげていくのですね。

はい。つくって終わりではないです。みんなで次回のメニューや調理に向けて、その都度反省会をします。そういう意味ではコミュニケーションも大事。その大切さを改めて感じ取りました。この授業全体を振り返れば、みんなでメニューを考え、協力し合って調理し、結果を考察して、次につなげる。この実習から得たことは全てが実践的であり、社会に出てからも重要なことなのではないかと感じています。


仕事の現場を実際に体験する校外実習。

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学外にも実習に行かれたとか?

3年次の「校外実習」の授業です。この授業では、実際に企業の社員食堂を訪問し、1週間、実際の職場で管理栄養士の方の補助を行いました。

どのようなことを行いましたか?

野菜を切ったり、盛り付けをしたりといった実務を行いました。私が訪問した先はカフェテリア形式でしたので、注文されたメニューに沿って料理を並べ提供もしました。この実習では仕事の現場を見ただけではなく、その仕事の一部とはいえ体験することができ、とても良かったです。やはり職場となると緊張感があります。時間の制限などもシビアに感じました。また、企業の社員食堂は企業の従業員が勤めているのではなく、他の企業が委託で入っているということを知れたことも良かったです。就職する場としてこういった会社もあるのだなあと認識できましたから。

他にも学外での実習はありましたか?

臨地実習として愛知学院大学(歯学部)附属病院へ4週間訪問する予定です。

医療に関わる現場ですね?どんな実習になるのでしょうか?

この実習では実際に患者さんの栄養相談をすると聞いています。 病状や処方されている薬との兼ね合いなど、 食事制限は患者さんごとに異なります。 そういった意味では医療現場の方々とのコミュニケーションが大事になってくるはずです。 4週間という長期期間、 みっちり実習できるのも愛知学院大学だからこそだと感じています。

まさしくそうですね。

校内実習もさることながら、この校外実習での学びは社会と触れ合う場ですし、実践力を身につけるには格好の場です。学んだ理論は実践する場があってこそ活かされるものだと思いますし、本当にバランスのとれたカリキュラムだと思います。


健康栄養学科の可能性を広げる就職活動。

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最初に食品業界へ就職活動中と聞きましたが・・・

はい。先日、食品業界へエントリーしました。

どのような仕事をしたいと考えているのですか?

新しいお菓子の開発職です。お菓子と言っても、ケーキなどの焼き菓子などではなく、コンビニやスーパーで売っているスナックなどです。私自身、スナックなどのお菓子を食べるのが好きなのですが、もっと美味しく、長く愛される商品を開発できればと考えています。

健康栄養学科で学んだことと、どういったことが関係してきそうですか?

例えば、最近では健康志向が高まっています。そういった意味では減塩・カロリーオフの商品などでは、健康と美味しさの両方を追求しなくてはなりません。そういったことを考える際に健康栄養学科で学んだことが活かされると思います。

またスナックに限ったことではありませんが、食べる量も重要です。例えば一度に多く、食べ過ぎないように、お皿に分けて食べるなど、商品そのものだけではなく、「どのように食べると良いのか」といった提案もしていくことができるとさらに良いのではないでしょうか?その際には、まさにこの学科での学びが必要となってくると感じています。

なるほど。そう考えていくと卒業後の進路も幅広いですね。

就職先は食や栄養に関係する所、すべてに関連してくると思うのです。私が考えている以上に活躍の場があると思います。私たちはこの学科の1期生ですし、私たちが最初の卒業生です。そういう意味でもこの学科の可能性を広げ、就職活動でも活躍できる場を広く探していきたいと考えています。

もうあと1年で卒業ですね。

はい。あっという間ですね。そう感じられるのも大学生活が充実していからだと思います。授業も楽しかったですし、友達も多くできました。学内アルバイトも楽しかったです。学内アルバイトでは主にオープンキャンパスのときに、高校生と一緒にキャンパスを周るキャンパスツアーのスタッフをしたり、入試のときも、受験生の誘導、案内をしました。。このアルバイトを通じて他学部の人と接する機会が持てたのはとても貴重でした。学部は違っても、いろいろと相談したり、遊びにいったり。同学年だけではなく、先輩、後輩にも友達の輪が広がりました。本当に良い仲間に出会えたと感じています。

最後に高校生や受験生にメッセージをお願いします。

管理栄養士の資格取得を目指す健康栄養学科だからといって、栄養士、管理栄養士にしかなれないというわけではありません。食と運動やスポーツなど、とても身近なところのつながりから、病気や医療など、専門的なところへのつながりまで、とても幅広く応用が利きます。この学科はみなさんが想像しているよりも、ずっと奥深く、可能性にあふれています。多少の興味であっても、さまざまな実験や実習を通じて、可能性を広げていくことができるところなので、是非、この学科に足を運んでもらいたいと思います。


取材を終えて

鈴木さんと話をしていると、健康栄養学科のカリキュラムの良さが強く感じられました。この学科では、基礎学習で得た知識が充実した実験・実習で確実にその理解を深めていくのだとわかりました。実習にいたっては企業や医療機関へ出向いての活動も魅力の1つです。特に実際の医療現場での臨地実習は附属病院をもつ愛知学院大学だからこその環境だと感じました。管理栄養士をめざす人にとってはこの上ない環境だと思います。また健康栄養学科の学びは食と栄養という人間生活には欠かせない領域であるため、将来、活躍できる場が多様なことも理解できました。鈴木さんが話をしてくれた「管理栄養士の資格を持っての新しい食品の開発」もその1つです。鈴木さんの話から健康栄養学科の可能性を感じました。寒い中での撮影・取材。長時間に渡り、ありがとうございました。良い就職活動となることを願っています。

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