公民に興味。目覚めた教師への道。

片岡 達哉(かたおか たつや)さん 総合政策学部 総合政策学科 3年生

教師を目指していると聞きました。

はい。総合政策学部で取得できる資格の1つに高等学校教諭1種免許状(公民・情報)があります。その資格を取得して教師になりたいと思い、ここ愛知学院大学総合政策学部を受験しました。

数ある学部の中で総合政策学部を選択した理由を教えてください。

そもそも公民の授業が好きだったことが1つの理由です。公民は現代社会、倫理、政治・経済など広い視野で、現代の社会について、その問題や自分とのかかわりを考察し、人間としての在り方・生き方について考えていく学問です。公民のその多様な角度で物事を考えていくそのプロセスが楽しかったのです。

公民の授業で感じた楽しさが総合政策学部の選択につながったのですか?

はい。この学部では公民の授業で感じた物事を考えるプロセスを、さらに総合的かつ専門的に深めていくことができると感じました。

愛知学院大学の総合政策学部を選択した理由は?

愛知学院大学の場合、特に情報の分野に強いイメージがありました。現代は高度情報化社会と言われています。情報化社会は私たちの生活の在り方それ自体を変化させてきており、さらにその速度は増すと思います。社会とのかかわりにおいてこの情報分野は切ってもきれない関係であると感じていたので、その分野が強い大学を選択しようと思いました。

学部の特長を簡単に教えてください。

社会が高度化・複雑化していくなか、私たちが生きていく過程において、あらゆる課題が山積しています。その課題・問題は既に自分たちが気づいているものだけではなく、実は表に現れていないものも多くあります。その課題・問題を自らが発見し、自ら解決していく。その能力を高め、この複雑化していく社会において生き抜く力を身につけていく。それが愛知学院大学総合政策学部です。

なるほど。

問題が見えてくると、本来どういう姿であればその問題は出てこないのかを考えることができます。そしてそのあるべき姿と現状のギャップが見えてきます。そのギャップをどのように埋めて問題解決していき、あるべき姿に近づけるのか。その考えるプロセスが総合政策学部の学びなのです。

どのようにその問題を見つけていくのでしょうか?

多様な角度から物事を考えることが重要です。1つの出来事を考える場合でも、その分野だけのことを考えるのと様々な分野から考えるのとでは、見えてくるものが違います。例えば環境のことを考える場合も、環境そのものの領域だけで考えるのではなく、政治・経済、心理や健康など他分野のかかわりを絡めて考えていくのでは見えてくる課題も違ってきます。また問題解決もそのかかわりを考慮し考えていかないと新たな問題が起きるなど本当の意味での解決にはなっていきません。

よく理解できます。

社会は多様に絡み合い構成されていますから、多視点から考えていくということが大切なのです。さらにこのような見方、考え方ができる能力を身についていくと、自分自身のことも改めて見つめ直すことができます。「自分が何をしたいのか?」など根本的なことも理解できるようになります。

自己発見にもつながるのですね。

はいそうです。愛知学院大学総合政策学部は学びの領域が幅広いです。環境、情報、政治、経済、教育、心理、健康など社会や人間にかかわる様々な学問領域をカバーし、自分自身の興味と照らし合わせる機会が多くあります。教授陣も多様で、様々な専門分野に精通している方ばかりです。そこもこの学部の大きな特長の1つです。


小学生の時の大病。感じた教師という職業のすばらしさ。

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教師になりたいと思ったのはいつ頃からですか?

小学生の時です。実は小学1年生の時に大きな病気にかかり、半年間、入院していました。その時に院内学級で出会った先生の影響が強く、将来は教師になりたいと思うようになりました。

その先生からどういった影響を受けたのでしょうか?

その先生が偶然にも小学5年生の時に僕のいる学校へ転勤してきたのです。もちろん、こちらはその先生のことを覚えていたのですが、先生の方も覚えていてくれて声をかけてきてくれました。それがとても嬉しくて。この時に「先生っていいなあ」と思ったのが教師になりたいと思ったきっかけです。

なるほど。

その先生には人のやさしさを感じました。 いま振り返ると、 その時は教師になりたいという思いより、 その先生のような人になりたいと感じたのだと思います。 教えることを通じて生まれる心の触れ合いみたいなものに憧れを感じていたのかもしれません。

良いきっかけに恵まれましたね。

そう思います。このきっかけに加えて、現代社会・公民への興味が僕に教師という目標を明確にしてくれたのだと思います。


教えることの楽しさを教えてくれたSA

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人に教えることは難しいですよね?

そのとおりです。教えるということは相手に伝わらないと意味がないわけですから、「どう伝えたらわかってくれるのか?」と考える必要がありますし、それを実践する場が必要です。僕は幸いにも学部でSA(Student Assistant)に選んでもらい、その機会を通じて貴重な経験をさせてもらっています。

SAはどのようなことをしているのですか?

主に情報コントロールルーム(ICR)で授業時や自習時の学習サポートにあたります。ICRは総合政策学部に設置された独自の情報教育施設です。1室に40台ほどのパソコンがあり、そこで情報処理を学んでいくのですが、操作方法がわからない、パソコンが動かないなど困ったときにSAである僕たちが彼らに教えていきます。

それは貴重な機会ですね。

SAを通じて改めて実感したのは「教えることが好き」だということです。相手がわからなかったことを僕が教えて、できるようになる。この過程はまさに総合政策学部の問題解決をしていくプロセスそのものですし、その実践の場といえます。課題・問題を相手と共有し一緒になって解決していき、できた喜びを分かち合える。こんな素晴らしい仕事はないと思います。

総合政策学部の学びとSA。
そして教師という目標は1つにつながっていく感じがします。

僕もそのことを実感しています。SAに選んでもらえたこと、教師をめざし総合政策学部に来たことは本当に良かったと思っています。


目覚めた新たな興味。

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総合政策学部は本当にいろんなことを気づかせてくれる所ですね。

そのとおりです。実は「教えることが好きだ」の他に自分自身が気づかされたことがあります。それは「情報」という分野にも非常に興味をもっていたということです。

「情報」ですか?

道具としてだけの扱いだったと思いますが、今ではコミュニケーションに欠かせないものとなってきています。最近のiPhoneやアンドロイド携帯などスマートフォンの存在はさらにコミュニケーションそして社会へのかかわり方を深くさせているように感じます。

なるほど。

考えてみると僕たちが生まれた1990年代から現在に至るまで情報社会は加速度的に進化してきました。僕は小学4年生の時に初めてパソコンに触れ、その際にいろんな情報やコンテンツに触れています。既に僕にとってはパソコンやインターネットは身近なものでした。そして中学生の時にはmixiのようなソーシャルネットワークサービス(SNS)が始まり、大学に入る頃には1000万人を超えるユーザーを抱えた誰もが知るサービスとなっていました。携帯電話の進化もそうです。最初はモノクロの文字・画面で簡単な機能だけだったものが現在ではスマートフォンのようにコミュニケーションに欠かせないものとして進化しています。僕たちが過ごしてきた20数余年はまさに高度情報化と共に歩んできたと言えます。

本当にそうですね。

そう考えていくと僕たちの世代にとって情報化社会は当たり前の世界なのです。情報分野は進歩が激しいですが、僕たちはそれが普通に感じられます。このように考えていくと、情報の分野は僕たちの世代だからこそ気づくことができる、また教えることができることがあると思うようになりました。当初は公民の延長線での興味でしたが、現代の社会において情報は欠かせないテーマだと思い興味が湧いてきましたし、それを教えていく立場に立ちたいと思うようになったのです。


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それは素晴らしい。

目覚めさせられた感じです。実際、自分のやりたいことや可能性って中々わからないものです。総合政策学部の学びの中では自分が気づいていなかったことに興味を持ったり、また自分ってこんなことができるのかと思う場面が多くあります。これもこの学部が幅広い分野で学べ、視野が広がり深く探求する習慣が身につくからこそ新たな自分に出会えたのだと感じています。

情報分野においてはどんな学習をしたのですか?

1年次は情報リテラシーの授業が必須です。エクセル、ワード、パワーポイントやウェブサイトを製作する上でその基礎となる言語(HTML)を学びます。2年次からはプログラミングやデータベース、リサーチや統計学と合わせてデータ分析も学んでいきました。

本格的ですね。

多角的な視野で物事を考え問題解決する際には、客観的なデータから解釈していくことも大事です。膨大なデータから必要な条件に合わせてデータを抽出すること、またそのデータを解釈していくこと、どちらも問題発見、問題解決には欠かせないものです。

なるほど。

プログラミングは凄いですね。例えば乱数を入れるだけグラフィカルなグラフができたりしますから。これらの技術を駆使できるようになったら、いま、見えてないことがさらに見えてくるような気がしています。3年次での授業も楽しみです。


1年次から始まるリサーチプロジェクト。

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3年次からは本格的にゼミでの学習が始まりますね。

はい。僕は竹市教授のゼミを選択しました。竹市教授は教育を専門としていることと、1年次のリサーチプロジェクトでも担当してもらいその指導の仕方が丁寧でわかりやすかったので深く学んでみたいと思いました。

リサーチプロジェクトとは何でしょうか?

4年間の体系的な学びを通じて問題発見・問題解決能力を養っていく、総合政策学部独自のプログラムです。1年次には学びに対して主体的な姿勢を重視しながら、講義の聴き方、ノートの取り方、文献・資料の調べ方、レポートの書き方などを学習。グループディスカッションなどを通じて、問題を発見・分析し、解決の提案を図っていきます。

1年次からそういった機会があるのですね。

はい。人数も20~30名の少数でゼミの基礎編みたいな感じです。2年次ではさらに専門領域に対してのアプローチになります。自分の意見を発表する機会も増えていきます。1年次から物事に対しての考え方が身につき3年次からの本格的なゼミを迎えられるので、とても良いカリキュラムだと思います。

話を聞いていると授業の充実ぶりが感じられます。

いつも新しい発見がありますし、学ぶ過程で新しい自分も見えてきます。総合政策学部で学ぶことは、まさに考える力、生き抜く力を身につけているのであってその実感があります。

それに加え教職(※)のための学び。大変ではないですか?

もちろん教職を選択していない人と比べれば授業数も多く大変かもしません。朝から夜までずっと勉強ということも日常ですから。でもやらされている感は全くありません。自らが選択し学んでいるのでその分、充実していると感じています。

※教職課程
教職課程とは将来教職に従事しようとする熱意をもった学生のために設けられた課程です。教員になるためには「学部の授業以外に教職課程を履修し」教育職員免許法に定められた「教育職員免許状」を取得する必要があります。


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将来はどんな教師になりたいですか?

人に教えるというと上から目線になりがちです。僕は例え相手が子どもでも人として対等に向かい合いたいと思います。成長するというのは難しいことですが僕と接することで将来、何かの役に立つことがあれば、そんな幸せなことはありません。

今の子どもたちを見て何か感じることはありませんか?

勉強はとても頑張っているように思います。それ自体は悪いことではありません。知識を身につけることも大事ですから。でも、もっと社会に目を向ける、土を掘り返すように身近な問題を考える、そういった世の中を知っていくことが生きていくためには大切です。大学に入る前からそういった意識をもってもらえるよう僕は一緒に子どもたちと考える機会を創っていきたいです。

とても良い志です。

挨拶など、人としての常識も大切にしたいです。知識を持っていても挨拶ができないから良い印象を持ってもらえないなんてもったいないです。礼儀やコミュニケーションは頑張るものではなく、やるかやらないかそれだけです。その基本となる挨拶などをしっかりできるよう対話していきたいと思います。

3年、4年とますます楽しくなりそうですね。

偉そうなことを言っていても、まだまだ自分の経験が足りないこともわかっています。残りの2年間でさらに経験を積み自分を含め社会のことを考えていきたいです。

存分にキャンパスライフを満喫してください。

はい。総合政策学部は先輩、後輩とのつながりもあり本当に良い学部です。先日もとある先輩と将来のことで本気で熱く語り合いました。SAで縁ができた後輩も廊下で気軽に声をかけてくれるなど人間関係もとても良いです。教授とも気軽に話せる環境ですし、少しでも多くの高校生にこの学部の魅力を知ってほしいですね。

最後に高校生へメッセージをお願いします。

知識をつけることも大事ですが経験していくことがもっと大事です。経験とは成功だけでなく失敗や挫折も含めての経験です。それらの経験で得たものは一生の宝物となるでしょうし、その経験の深さが考えの深さになっていきます。経験を大事に。そしてその経験や知識をさらに深め増やすことができるのが愛知学院大学総合政策学部です。より良い人生を送るためにこの学部で経験を積んで欲しいです。


取材を終えて

片岡くんは公民から現代社会とのかかわりを通じて自分の在り方・生き方を考察していくことの楽しさに目覚め、その学びをさらに深めようと愛知学院大学総合政策学部を選択しています。今まで多くの総合政策学部の学生を取材してきましたが、この選択理由に出合えたのは今回が初めてでした。また教師になるためにこの学部を敢えて選択したことも彼の話を聴いていくうちに、とても納得できました。 社会は、ますます多様化・複雑化していきます。その上で教育というものも変化していかないといけません。問題を掘り起こし、解決していく能力は教育の分野でも必要で、その意味でも総合政策学部で学び教師になることは、とても良い選択をしているように感じました。また高度情報化社会において彼らのようなデジタル世代が指導にあたれば、今までにはない教育につながっていくのだとも感じました。 取材中も時間経過に連れ、教育に対し熱く語ってくれた片岡くん。是非、教師になって未来の子供たちを指導し、より良い社会を創っていって欲しいと思います。長時間ありがとうございました。楽しかったです。

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