健康科学科を選んだ理由

宮本まどか(みやもと まどか)さん 心身科学部 健康科学科 4年

心身科学部健康科学科を選んだ理由を教えてください。

私は現在、言語聴覚士をめざしていますが、最初の志望動機は違いました。元々、スポーツが好きで、高校生までバスケットボール部に所属していました。その経験を活かした学習と将来につながる資格取得の両立ができる場を求めて、愛知学院大学心身科学部健康科学科を選択しました。

愛知学院大学の最初の印象はどうでしたか?

ひと言で表現するなら「大きい大学」でした。それは単に敷地が広いということではなく、多くの学生がいて、様々な価値観を持った仲間と出会える期待があったということです。

入学当初はどんな気持ちでしたか?

まずは志望通りの大学に進学できたこと、故郷を離れ一人暮らしが始まったことで不安よりも期待の方が強かったです。ただ最初は戸惑いもありました。自炊も初めてでしたし、自分のことは自分で管理しないといけません。生活のリズムが高校生までとはまるで違う印象でした。

出身はどちらですか?

石川県です。元々、大学は県外に進学したいと考えていました。親元を離れた一人暮らしの生活は、自立心もつけることができ、貴重な経験だと感じていたからです。東京、大阪への進学も考えましたが、愛知県は身近な感じがしてこの地を選びました。

一人暮らしで寂しい時期もあったのではないですか?

いいえ。健康科学科では入学式の数日後、フレッシュマンスプリングセミナーというイベントがあり、すぐに皆と仲良くなったので、寂しいなんてことはなかったです。

そのイベントはどのようなものだったのでしょうか?

健康科学科の先輩が実行委員となって企画してくれたオリエンテーションです。新入生180名が集まり、先生が出題したクイズやゲームをグループで解きながらゴールを目指しました。その後、立食パーティーなど交流の場もあり、一気に仲間との距離が縮まりました。

それは良いイベントですね。

はい。とても楽しかったです。その後、履修相談会も準備されていて、どういった講義を選択したら良いのかなどアドバイスをもらい、1年次の履修科目をすぐに決めることができました。入学してすぐに友人ができ、相談会があったことで学習面でも不安もなくなり、安心してスタートが切れたと思います。


一年次の学び

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最初はどんなことに取り組むのでしょうか?

一年次は専門教育に取り組むための基礎を学びます。心理・経済・教育・歴史・社会学・語学、スポーツ科学など充実した教養科目から、健康スポーツ医学・解剖学・体育原理・養護概説・言語聴覚障害概論など専門科目に至るまで、幅広く学習します。

大講義室での講義中心でしたか?

大講義室での講義も多いのですが、一年次からも15名程で実施するプレセミナーや30名程で学ぶ語学など、少人数での講義もありました。少人数で受講する講義は特に充実していて、友人も増え、交流が深まりました。

プレセミナーはどんな内容だったのでしょう?

まず大学での学習の仕方など、指導がありました。その後、プレゼンテーションの仕方を学び、自己紹介や質疑応答など実践しました。その経験はゼミナール時に大いに役立ちました。

その他に印象に残った科目はありますか?

スポーツ科学ですね。バスケットボール、バレーボール、卓球、ゴルフなど様々な種目が用意されて選択できます。健康科学科は身体活動や運動領域の関連性が強いので、スポーツも学習の基礎となります。

教養科目、専門科目、プレゼンテーション、スポーツなど幅広い学びですね。

様々なことを幅広く学べることは楽しいと感じました。それは学んでいく中で、今まで興味を持たなかったことに関心を持つなど、意外な発見があったからです。自分の可能性が広がる感じがして、とても嬉しく思いました。


医療系の学びも充実。言語聴覚士への道

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健康科学科には3つのコースがありますね。

はい。保健体育教諭や健康運動指導士など健康づくりの指導者をめざす「スポーツ科学コース」、養護教諭をめざす「健康開発科学コース」、言語聴覚士をめざす「言語聴覚科学コース」があります。

どのコースを選択しているのでしょうか?

「言語聴覚科学コース」です。先にも少し触れましたが、入学前は、スポーツに関心があり、スポーツ指導者の資格取得をめざしていたので、スポーツ科学コースを選択しようとしていました。ただ学んでいく中で言語聴覚士に興味を持ち、自分の選択を見つめなおしたのです。

途中でコースを変更できるのですか?

1年次は各コース横断して講義を選択することができます。とはいえ言語聴覚士になるには国家資格が必須なので、専門科目の履修が増えていく前に決断は必要となります。

入学時からコース選択を強く意識している人もいましたか?

保健体育教諭やスポーツの指導者、養護教諭、言語聴覚士などの将来を見据え、健康科学科に入学してきている人も多くいます。ただ私のように学んでいく中で、自分の本当の興味に気がつき大学で志す人もいます。

大学に来て選択の幅、将来の可能性が広がるというのは良いですね。

はい。正直に言うと、高校生まで言語聴覚士という仕事があることは知りませんでした。考えてみれば高校生までに得る情報や経験と、大学に入ってからでは大きな差があります。明らかに大学に入ってから知ることが多いのです。また自分と対峙する時間も多く、今まで気づいていない興味や関心も高まっていきました。

言語聴覚士をめざしたいと思ったそのきっかけは何だったのでしょう?

きっかけは「音声・言語・聴覚系神経医学」という講義で、これがとても興味深い内容でした。今まで知らなかったことを理解できることが楽しく、学習意欲も増していきました。

医学系の科目も充実しているのですか?

はい。専任の教員に臨床医師が多いのが健康科学科の魅力です。さらに,愛知学院大学歯学部の先生が受け持つ科目も多く、医療現場の実情を聞くことができます。医学と歯学の知識をベースにした学びもこの学科の大きな特長の1つです。


「心」と「身体」を考える重要性

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言語聴覚士とはどのような仕事なのですか?

言語聴覚士は、医療従事者の一員で、ことばによるコミュニケーションに障がいがある方に専門的サービスを提供するリハビリテーションのスペシャリストです。失語症・聴覚・声や発音・食べる機能の障がいなどのメカニズムを明らかにし、その検査・評価を実施し、必要に応じて訓練、指導、助言、その他の援助を行います。患者は生まれながらの先天性、病気や外傷による後天性など小児から高齢者まで幅広く、対応も様々です。

「失語症」は良く耳にしますね。

失語症は、聞く・話す・読む・書くなどの機能障がいです。中枢神経の損傷も大きく影響してきます。「音声・言語・聴覚系神経医学」という講義で言語聴覚士に興味を持ったと話ましたが、正にその学びが関連してくる症状です。

脳卒中が原因で失語症になるケースもありますよね。

はい。人は成長過程で言葉を聞き、話し、読み書きを覚えていきます。失語症は一端獲得した言語機能が失われた状態ですが、そのリハビリは、失ったものを再度獲得していく訓練になります。「一度得たものを失い、また得る」と言葉では簡単に言えますが、その訓練は精神的に辛いように思えます。患者さんの心境は複雑で、それは心の問題にもつながっていくように感じていました。

実際、患者さんと話をしたことはありますか?

3年次に2週間、4年次に12週間の病院実習があります。その一環として脳神経科の病院へ実習に行きました。その際、実際の患者さんと接する機会がありましたが「なぜ、このよう(失語症)になってしまったのか?」と、まだ現実を受け入れらない方が多くいました。

現実を受け入れるのは難しいですよね。

その患者さんの言葉を受けて、言語聴覚士になるには「こころのケア」も大切だと改めて感じました。そもそも、心身科学部という学部は人間を「心」と「身体」の両面から探求する日本で唯一の学部です。「心」と「身体」は切ってもきれないものであり、双方を学び経験し、修得する大切さを痛感しました。

良い経験をしましたね。

はい。実習に行って、ますます学習意欲も高まり、言語聴覚士になりたいと強く思いました。リハビリには根気も必要です。自分自身の知識・経験、心の成長なくして患者さんとは向き合えないと思いました。もっと成長していきたいです。


言語聴覚士国家試験 合格率100 %(2012年度実績)

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実習の他に印象に残っていることはありますか?

3年次からは専門科目がさらに深くなり、強い意思を持って、毎日の課題をクリアしていきました。特に印象に残っているのは、DVDディスカッションです。私たちのグループは失語症の臨床場面をDVDで観察し、診断や治療計画を立案し発表しました。入念な準備をし、メンバーの役割を明確にし、プレゼンテーションに臨みました。発表後、みんなからの質問や意見も多く、自分ひとりでは考えが及ばなかった点にも気がつくことができました。

いいですね。

また、国家試験に向けて講義がない日も学習をしたり、大学にある検査用具を使ったりして、標準失語症検査(SLTA)の実習をみんなで実施し学び合うなど、自主的かつ積極的です。同じ目標に向かっている仲間だからこそ、協力しあえるんですよね。みんな愛知学院大学が大好きなんですよ。

言語聴覚士の国家試験はいつですか?

卒業式前の2月にあります。 昨年度(2012年度)は全員合格、合格率100%でした。 全国平均の合格率が68.1%ですから、 愛知学院大学の習熟度の高さがわかります。

100%とは凄い。

先輩の成績に恥ずかしくないよう、私たちも全員合格を目指しています。

卒業後は故郷に戻るのですか?

愛知県での就職を考えています。国家資格を取得して、医療機関で言語聴覚士として一人でも多くの患者さんに向き合えるよう、頑張っていきたいです。

最後に高校生へひと言。

高校生の時に将来を見据えることも大事です。でも、やりたいことや将来がわからなくても焦る必要はありません。大学での学びから新たな気づきがあり、それをきっかけに自分の可能性が広がることだってあるのです。肩の力を抜き、フラットな気持ちでいることが大事だと思います。


取材を終えて

取材中、何度も「大学生活が楽しい」と言葉にした宮本さん。それは、宮本さん自身が、どんな物事にも新鮮な気持ちで向き合い、吸収できるからだと思います。それができるからこそ、当初は興味がなかった言語聴覚士に目覚めることができたのでしょう。わからないことを避けるのではなく、わかっていくプロセスを楽しむ。さらに探究することで自分との深い関わりをつくる。だからこそ、自己を成長させていくことができるのではないでしょうか。また、優しい笑顔の中に見えた、負けん気は、患者さんと向かい合う際に大事な根気をつくってくれているようにも思えました。長時間の取材、本当にありがとうございました。言語聴覚士としての活躍を期待しています。

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