Club Interview vol.005 サッカー部 佐野 渓(さの けい)さん 総合政策学科2年生

1957年(昭和32年)創部。部員数60名。東海大学1部。創部以来、数々の大会で優秀な成績を残し、全国大会へも出場する。この春に開催された愛知学生サッカー選手権で優勝。天皇杯県代表決定戦への出場も決めている。元Jリーガー、日本代表の秋田豊はOB。 大学サッカーで養う「平常心」と「向上心」

01 創部55年目を迎えたサッカー部

サッカー部について教えてください。

1957年(昭和32年)に創部し、今年で55年目を迎えます。その間、総理大臣杯や天皇杯といった全国大会への出場、Jリーガー・元日本代表選手も輩出しています。現在は東海大学リーグの1部に所属しています。

活動内容を教えてください。

4月から東海大学サッカーリーグ戦が始まります。1部に所属する10チームが8月までの前期、11月までの後期とそれぞれ総当たりのリーグ戦で順位を競い、12月の全日本大学選手権の出場権を争います。重ねて4月から5月にかけてトーナメント方式で、愛知学生サッカー選手権があり、その後に、総理大臣杯予選を兼ねた、東海大学サッカー選手権大会があります。

大会続きですね。

そうですね。その他にも今年で47回目を迎えた、駒澤大学との定期戦やインディペンデンスリーグ(Iリーグ)など、毎週、試合があります。その他、合宿や練習試合なども組まれています。

今年の第30回愛知学生サッカー選手権は優勝したとか。おめでとうございます。

ありがとうございます。2年ぶり14回目の優勝で、ベストイレブンも5名選ばれるなど、みんなが、活躍できた大会でした。東海大学サッカーリーグ戦も現在3位(H24.7月現在)。前期最後の8月の試合も全力でプレーしたいと思います。

部員は何名いるのですか?

60名ほどです。高校でサッカー部に所属し、スポーツ推薦で入学・入部する人が多いです。もちろんスポーツ推薦でなくても入部することはできますが、練習参加、入部についても、監督の判断が必要となります。

厳しい世界ですね。

単にサッカーを楽しもうという集まりではないので、厳しさは当たりまえのことだと思います。また、レギュラーは11名しかなれないので、その競争も厳しいです。大学の4年間をサッカーにかけるわけですから、部員それぞれの目的意識は高いと思います。

02 大切なモチベーションの高さ

日頃はどんな活動を行なっていますか?

週末は試合が多いのでそれに向けた練習を行います。月曜日はオフで、それ以外の平日は17:00~19:30頃まで全体練習を行い、その後、20:30頃まで必要に応じて自主的に練習をし、試合がない週末は昼間に練習をするといった流れです。

練習の詳細を教えてください。

例えば日曜日に試合が組まれていれば、火曜日は体力強化のフィジカルトレーニング、水、木、金曜日は紅白戦を行い、実戦形式で練習をしていき、試合前日の土曜日はフリーキックの調整など、軽めのメニューにして試合に備えます。

高校時のサッカーまでの違いを感じることはありますか?

ドリブル、パス、シュートなど、個人技はもちろんのこと、戦略・戦術面の精度が高いです。個人技においては、具体的に練習内容を決められているわけではなく、自主性に任されますが、戦略・戦術面においては紅白戦などで繰り返し指示を受け、確認をして実践に備えます。

先程、観せてもらった練習もそうでした。

試合に臨む上で、戦略・戦術面の理解は重要です。相手が変化すれば、戦略・戦術は変わりますし、その都度、監督・コーチの指示を受け、対応できないといけません。そして対応するにはそれらを実現できるフィジカルやテクニックも必要なわけですから、そのバランスが大学サッカーには不可欠だと思います。

なるほど。バランスですね。

戦略・戦術を実現できる個人の力が求められるということです。個人練習は自主性に任されると先程、言いましたが、自主性が重んじられるということは、「もっと上手くなりたい」「強くなりたい」と思う積極的な気持ち、モチベーションの高さが重要です。その気持ちが強くないと大学サッカーでの成長はないのだと感じています。

確かにモチベーションの高さは練習でも垣間見ることができました。

部員の60名、全員モチベーションが高いです。実際のピッチには11名しか立てないわけですから、 誰もが今の自分よりうまく、そしてレギュラーに選ばれるよう、日々を過ごしています。普段は良い仲間ですが、全員がライバル。毎日の練習が競争。その環境だからこそ成長できるのだと思います。

03 大学で改めて分かったサッカーの魅力

サッカーが嫌になることはありますか?

嫌になることはありません。でも思い通りにならないことはあります。ケガをした時はそれが顕著です。僕も練習に戻れるまでに2ヶ月を必要としたケガをしたことがあります。最初は歩くだけでも痛いくらいでした。

スポーツにケガはつきものと言いますが、何もできないのは辛いですね。

なぜかケガをした時は時間が経つのが遅く感じます。たった2ヶ月ですがとても長く感じました。幼い頃からサッカーのない生活はなかったわけですから、なおさらです。我慢を強いられました。

復帰するのに「怖い」という気持ちはなかったですか?

正直、ありました。イライラもします。でも、そういった時こそ精神面が強くなると思って、心を落ち着けていました。平常心でいることが難しい、その訓練をしているのだと言い聞かせ、リハビリに専念する。向上心も大事ですが、平常心が大事で、動じない心をもつことでさらに強くなれるのだと思います。

サッカーの魅力はなんでしょうか?

チームが勝利する、シュートが入る嬉しさは言うまでもありませんが、常に環境が変化する中、ボールを味方に通していくことでしょうか。簡単なように聞こえますが、そのためには、相手の動きを理解してパスを蹴りだす、そのスピード、タイミングが合わないといけません。敵も味方も、みんなが動的で1秒たりとも同じ動きはありません。その動的な変化を捉え判断し蹴る。サッカーはその連続で、だからこそ個人技も戦略・戦術面も、フィジカルと心の強さが必要なのだと感じます。いろんなスポーツがありますが、サッカーが1番、魅力的に感じます。

寮生活も充実しているとか。

はい。部員全員ではありませんが、寮生活の部員が多く、僕も入寮しています。ピッチではみんなライバルですが、仲が良いです。寝食を共にすることで横のつながりも、先輩との交流も広がり、学年に関係なくコミュニケーションがとれるのはとても良いです。

それも大学でサッカーをする楽しみの1つですね。

一緒にサッカー観戦をしたり、好きなプレイヤーのことで議論したり、ほんとみんなサッカーが好きなのだと思います。

最後にメッセージをお願いします。

愛知学院大学はサッカーをするための環境が整っています。S級ライセンスをもった監督、戦術面に長けたコーチなど立派な指導者のもと、向上心が強い仲間が集まっています。互いに高めることができる、いいライバルがチーム内に集まってくれればとても嬉しいです。

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取材を終えて

ここには選りすぐりのメンバーが集まってきます。そんな彼らがさらに向上しようと日々練習に明け暮れています。練習においても瞬間瞬間が本気の勝負で集中度が違う。そう強く感じました。経験豊富な指導力ある監督、コーチのもと、昨日の自分を超えようと切磋琢磨できる環境は彼らをさらに人間的にも成長させてくれているでしょう。平常心と向上心。社会に出てからも大事なことが凝縮されているように感じました。みなさんの今後の活躍に期待をしています。