部員は14名。1年生が5名、2年生が5名、3年生が4名です(平成25年4月現在)。その内、4名が未経験者です。
はい。僕も未経験者の一人です。高校の時は吹奏楽部でした。大学に入るまでは、運動部に入ったことがなく、当初は、腕立て・腹筋・背筋が20回しかできなかったくらいです。
それでも今はアーチェリーができているわけですから、練習を積み重ねていけば、未経験者でも大丈夫だと言うことを僕が証明していますよね(笑)。
高校で弓道部か洋弓部に入りたかったのですが、僕が通った高校には、両部ともありませんでした。愛知学院大学に来て洋弓部を見学し、そのカッコ良さに惹かれ入部を決めました。
そうですよね。アーチェリーに携わっていない皆さんはそういう印象だと思います。ただ、東海地区の高校は強豪が多く、全国の大学からスカウトが来るほどです。当部にも高校時代に上位入賞者、団体戦でインターハイに出た部員がいるほどです。
そういう意味では、アーチェリーは未経験者も経験者も共存できるスポーツと言えるかもしれません。大学から始めることもできるし、大学でさらに実力を高めることができるわけですから。そしてアーチェリーはオリンピックの正式種目でもあります。2012年のロンドンオリンピックでは、女子団体が初のメダルを獲得、男子個人で古川高晴選手が銀メダルと注目も高まりました。世界的なスポーツとも言えると思います。
週4~5回、洋弓場で練習をします。春には「東海学生アーチェリー王座決定戦」「東海学生アーチェリー選抜選手権大会」があります。6月には全日本大会、8月には夏個人戦、長野での合宿、9月に新人戦、10月に納射会、冬にはインドア選手権、3月には春合宿があります。
はい。その他にも自由参加の大会などもあります。これだけの出場機会があるのは恵まれた環境だと感じています。大会の数だけ活躍する場があり、普段の練習の目標にもなります。個人の技量は言うまでもなく、団体戦ではチーム力が発揮されるなど、そのバランスも大学のクラブ活動として重要だと感じています。
本年度は東海地区で準優勝し、4年ぶりに全日本学生アーチェリー王座決定戦への出場権を手に入れました。当部の特長でもある団結力が実を結んだ結果でとても嬉しいです。
ありがとうございます。全国の強豪大学に挑めることは楽しみです。またそこでしか味わえない緊張感や雰囲気は、さらに自分たちを成長させてくれると思います。部員全員が一致団結し日頃の成果を十分に発揮していきたいです。
未経験者の僕がキャプテンというのは心もとないと感じるかもしれませんが、みんな経験が違っても隔たりなく良いものを取り入れていこうという姿勢で、とても協力的です。その姿勢とチームの和が全国大会の出場を決めてくれたのだと思います。
技術的には先輩から「弓は力で引くのではなく、骨、関節で支える」という教えが記憶に残っています。もちろん筋肉を鍛えたりすることは必要なのですが、それだけでは遠くの的に弓を射ることはできないのです。
アーチェリーは最大で90m先(女子は70m)の的を狙い、真ん中にどれだけ的中させるかを競うスポーツです。そのシンプルさゆえに難しく感じる時があります。簡単な例で言えば、狙いすぎると力が入りすぎて、的を外します。また風のような気象条件にも影響を受けます。さらには6本の矢を4分以内で射つなど時間の条件もあります。矢を射つのは同じ行為ですが、その環境は常に違うのです。
「弓は力で引くのではなく、骨、関節で支える」は、技術だけの話ではないんですよね。それは落ち着いて射つための心構えでもあるのです。
はい。アーチェリーに大事なのは何かと問われればそれは平常心と集中力です。風などの気象条件や会場の雰囲気など競技環境は常に変化します。その変化に動揺することなく、集中し、いつもと同じ気持ちで射つことが良い結果につながると感じています。
それは「構え」「引き尺」「リリース」など基本を絶えず練習することです。日頃の練習でも、ただ繰り返し練習するだけでなく、考えることが大事です。例えば思い通りに的に当たらない時、何が自分を狂わせているのか?自分がどこで動揺してしまうのか?それらを考え修正していくことで集中力と平常心が身についていくのだと思います。
はい。「アーチェリーは紳士淑女のスポーツ」と言われます。それは単に服装など身なりを指すのではなく、その心構えに依るものです。アーチェリーを通じて精神を豊かにしていきたいです。
アーチェリーに興味を持った人は是非、洋弓部を覗いて欲しいです。未経験者にとっては、練習は繰り返しで、型ができるまでは地味に感じるかもしれませんが、練習を続ければ必ずできるようになります。経験者には、全国大会の醍醐味を感じて欲しいです。性別問わず、歳を重ねてもずっと続けることができるスポーツなので是非、私たちと一緒にアーチェリーを楽しみましょう。
取材中、実際の弓具を持たせてもらいました。それは想像以上に重く感じました。これを安定させ、数十メートル先の的を狙い、射つことは見ているよりも難しく技術がいるように思います。その上、気象状況や制限時間などの条件が加わった環境の中で、矢を射ち続けることは集中力と平常心を養わなければ実現できないことです。そのことが取材で理解することができました。4年ぶりの全国大会は、全員が技術的にも精神的にも成長することができる機会です。存分に日頃の成果を発揮してきてください。ありがとうございました。