文学部
日本文化学科

太宰治作品から読み取れたのは
「心づくし」。

近現代文学ゼミでは、読んで調べて、を繰り返し、書かれた時代、作者の置かれた背景などさまざまな視点から作品を読み解いていきます。研究対象の作品選択は自由で、私はずっと大好きな太宰治について研究しています。

 

太宰作品を読んでいくと、共通して多くの作品に出てくるのが「心づくし」というキーワード。私が最初に読んだ作品は『人間失格』。ただただ暗い、という印象でしたが、このキーワードを頭にいれて読み解いていくと人の影の部分をわかりやすく丁寧に、人に寄り添うように書かれていることに気づきました。一般的に太宰治は退廃的な生活をしていたというイメージがありますが、私は、読者に対するサービス精神を忘れない人だったのだ、と感じています。

 

作品を読んで「よかったね」「感動したね」で終わる読書と違って、解釈がどこまで正しいか根拠を見つけるというのが文学研究の面白さだと思います。

 

文学部日本文化学科 4年生 金丸 來未さん

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