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歯科医療の最前線!
世界でも稀な症例の治療とは?

本学歯学部附属病院では専門的な治療を行っており、時には世界的に稀な症例を扱うこともあります。

先日も右下顎の腫瘍を切除する手術が行われましたが、この症例は世界でもわずか9例。この手術を受けた方が新聞記者であったため、体験記が中日新聞と東京新聞TOKYO WEBで連載されました。

中日新聞に連載された体験記についてはこちらをご参照ください。

 

第一発見者の佐々木先生と主治医の長谷川先生たちは、様々な検査結果と過去のX線データを元に腫瘍ができた経緯を確認し、治療法を協議。全身麻酔した上で口の中を切開し、腫瘍の手前にある「筋突起」という部位を折ってから、腫瘍を取り除くことに。長谷川先生は患者様の不安を少しでも取り除けるように、模型を使ってどのような手術になるのか丁寧に説明し、術後も元通りに口が開けられるようになるまで患者様に向き合いました。

患者様は術後1年経った今ではしっかり口が開けられるようになるまで回復され、この症例については第一発見者の佐々木先生により国際学術誌で論文として発表されました。

 

本学ではこのような症例の治療を行う歯科医療の最前線と一体化したキャンパスで臨床実習を行うことで、歯科医師としての現場力を身に着けることができます。

 

 

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加熱式タバコが口腔環境に与える影響とは?

歯科インプラント治療において喫煙はご法度。喫煙は傷の治療に不良な影響を及ぼすため、インプラント失敗の誘因とされています。

 

世間一般では加熱式タバコ製品は従来の紙巻きタバコよりも害が少ないように思われていますが、この主張を裏付ける客観的なデータが限られているのが実情。そんななか、本学歯学部附属病院顎顔面外科学講座の森下佳学先生と長谷川正午先生らの研究が、注目されています。

 

この研究では、実験用マウスの繊維芽細胞(傷の治癒に関係する細胞)をインプラント治療で使用される素材であるチタンの板に乗せ、加熱タバコ・紙巻きタバコそれぞれの抽出物にさらして、繊維芽細胞の変化を比較する実験を行いました。

加熱式タバコでも紙巻きタバコでも抽出液にさらされると、傷の治療の指標となる繊維芽細胞の細胞遊走がどちらも減少しましたが、加熱式タバコのほうが低濃度(2.5%)で始まりました。低濃度(2.5%)・高濃度(5%)どちらにおいても、24時間後には統計的に明らかな有意差が認められました。

 

今回の実験はあくまでも実験用マウスの細胞を使用したもので、人の喫煙状態にそのまま当てはまるものではありません。

ただ、紙巻きタバコよりも加熱式タバコのほうが細胞毒性が強かったという実験結果は、加熱式タバコもインプラント治療の失敗の原因になり得る可能性があることを明らかにしたといえます。

 

歯科医療の明日を見つめて、末盛キャンパスでは日々研究が進んでいます。

 

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