文学部
歴史学科
古文書にふれる、はじめの一歩

中川ゼミは、日本近世の貨幣経済と社会について研究しています。はじめに、学生たちは実際に江戸時代の古文書にふれ、その取扱い方や整理の方法を学びます。その後、くずし字で書かれた文字を現代の文字に直す「翻刻(ほんやく)」に取り組み、古文書に記された内容を研究し、報告書にまとめています。
2024年度は、岐阜県各務原市に位置する松原島村地区の年貢免定の「翻刻」作業を行いました。当時の記録を読み解くと、河川の堤防の決壊により耕作が不可能となった土地に対して、年貢の免除が行われていたことがわかりました。歴史史料を通じて、当時の暮らしや自然災害の様子を知ることができ、史料を基に歴史を考察するおもしろさを体感できます。中川ゼミではフィールドワークも積極的に行っており、現地で調査することも大事にしています。古文書の取り扱いや解読の技術を習得することで、地域や学校、企業に残された貴重な歴史資料を適切に保存・活用できる人材を育成しています。