文学部
歴史学科

グローバルヒストリーで新しい歴史観を養う

グローバルヒストリーは、ヨーロッパやアジアを含めた諸地域間の「つながり」を重視して歴史を読み解くことで、新たな視点を得ようという西洋近代史の新しい学問分野です。

例えば「産業革命がイギリスにもたらしたもの」を真に理解するためには、都市化や工業化の推進と並行して、スラムで苦しむ人の存在やそれに伴う市民運動なども学ぶ必要があります。政治史を理解することにとどまらず、社会史やジェンダー史などの視点を取り入れ、さまざまな“窓”から歴史を探求することが肝要です。ひとつの出来事について複数の国家や地域などから横断的に研究し、比較しながら学ぶことで多角的な視野を培うことができるのです。

 

西洋近現代史は時代も地域も幅広く、学生同士が議論を行うことについてハードルの高さを感じる方もいるかもしれません。しかし一方で、自分と異なる他人の意見や興味関心を知ると同時に自分自身が持つ個性や独自の視点について深く理解できる環境ともいえます。実際にこのゼミでは学生同士が議論をリードし、それぞれの視点の違いについて認識を深めあっています。多様性がさけばれる時代において、一人の人間が自らの中に多様な見解を形づくることこそが重要なのではないでしょうか。

 

近現代は、これまでの身分制の下で顧みられることのなかった人々が次第に世界を動かす主体として歴史の表舞台に登場してきた時代です。その複雑な過程で人々が辿ってきた多様な道のりを学ぶことは、これからの社会で生きる上での道しるべとなるでしょう。

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