文学部
歴史学科
松井 真子 准教授
多様性と異文化交流のさきがけ。
ロマンに満ちたイスラム圏の魅力。
豊饒なイスラム圏史。
ハラル・フードが話題になるなど、以前よりは身近になった印象がありますが、日本人にとってはまだなじみの薄い地域、イスラム圏。近年の凄惨な事件の報道から、過激派に焦点が当たりがちですが、イスラム教は今世紀半ばにはキリスト教徒を超え、世界で一番信者の多い宗教になるといわれています。過激なだけの信仰が、そこまでの信者を集めるでしょうか?私が中東地域に関心を持ったきっかけは大学での授業でした。民族・人種・言語・宗教の多様性と、それらが制約つきではありながらも共存してきたこと、また、閉鎖的なイメージのあったイスラム圏が、実はそのほかの文化圏との交流を保護・促進し、発展してきた歴史にどんどん惹かれていきました。
歴史を多面的にみる大切さ。
ゼミでは、イスラム圏の広がりや、あまり知られてはいないものの、世界史においてイスラム圏が果たしてきた役割などについて学んでもらっています。特にイスラム圏史の流れや広がりを知ることで、多角的かつ多様な視座を獲得してもらえたらと願っています。ゼミ生からは、「一時的な事件報道だけでなく、長期にわたる歴史を学ぶことで中東地域の豊かな歴史や文化にふれることができてよかった」というような感想も聞こえてきます。日本の情勢を考えるときも、グローバルな視座は不可欠です。その際にムスリム(イスラム教徒)の人々の文化や歴史を知ることは、知的欲求を満たすだけに留まらず、大いに私たちの思考を豊かにしてくれるはずです。
◎教員PROFILE
松井 真子 准教授
東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻 博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。専門はオスマン帝国近代史。日本中東学会、社会経済史学会などに所属。留学(ボアジチ大学大学院人文科学研究科歴史学専攻MA取得)や調査研究でトルコ共和国のイスタンブルに通算4年の滞在経験あり。
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