文学部
日本文化学科

都市伝説を研究すると、
デマに惑わされにくくなる?

民俗学は不滅です!

私の専門は民俗学・文化人類学です。ゼミ生たちは妖怪や都市伝説好きが多いですが、そのほかの学生たちはもっとユニークなテーマを研究しています。民俗学・文化人類学、どちらの研究にもフィールドワークはつきもの。そして、文化の多様性を実感できる学問でもあります。私が通っている台湾先住民の集落では、ネズミの肉をよくご馳走になります。一方で、台湾先住民の友人は、日本の旅館で出された生卵に、吐き気を催したと言っていました。見た目が衝撃的な、半孵化状態の卵を食べる民族もありますが、世界的に見れば、生卵はそれよりも立派なゲテモノです。このように、文化は多様で相対的です。

 

フェイクニュースは、昔から。

かつて農村部を中心に語られていた昔話や伝説は、現在の都市伝説に受け継がれています。例えば、口裂け女。山姥のイメージや「食わず女房」という昔話の現代版ともいえます。そこにハナシがある限り、民俗学は不滅だと思います。 ところで、みなさんは「今思えば明らかにデマと分かることを、一瞬信じかけてしまった」という経験はありませんか?災害時や現在のコロナ禍のような伝染病流行時などには、決まってデマや噂話が出回ってきました。それはSNSが浸透した現代に限ったことではないのです。取るに足らないと思われるような話にも、実は法則性があり、それらを記録・蓄積し、客観的に見つめることで得られるものが多くあるのです。少なくとも、デマやフェイクニュースに惑わされにくくなると思います。

 

 

 

◎教員PROFILE

蛸島 直 教授

筑波大学大学院歴史人類学研究科博士後期課程単位取得満期退学。専門は日本民俗学、文化人類学。日本民俗学会、日本文化人類学会、生き物文化誌学会などに所属。動物と人間との関係、妖怪の原像としての動物の生態などについて研究。

 

 

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