法学部
現代社会法学科

刑罰という「危険物」と
向き合う。

“当たり前”を考え直すおもしろさ。

「犯罪をすれば刑罰を受ける」ということを、世の中のほとんどの人は、当たり前だと思っているでしょう。でも、死刑や懲役のような刑罰は、人に苦しみを与えるものであり、普通なら「殺人」や「監禁」として禁止される行為のはずです。わざわざ人手やお金をかけてこんなことをするのは、何のためでしょうか?刑法学では、この疑問を出発点に、普段あまり意識することのない「処罰される人」の立場にも想像力を働かせながら、刑罰という「危険物」を正しく扱うにはどうしたらいいのかを考えます。犯罪と刑罰という、ニュースなどでもよく目にする問題を、普段とは少し違う視点から考えるところに、刑法学のおもしろさがあります。

 

誰かと話してみたくなる学問。

私も、大学に入るまで刑法の知識はほとんどなく、「人を処罰するための怖い法律」というぼんやりしたイメージをもっていました。でも、授業を受けるなかで「間違った処罰を防ぐこと」も刑法の大事な役目なのだと分かってきました。多くの人が「こんな悪人、処罰してしまえ」と思うような場面でも、「本当に処罰していいのか?」という疑問を持ちながら結論を導いていく冷静さに魅力を感じ、それまで「テストで良い点を取るため」にするものだった学校の勉強が、「この考え方、どう思う?」と思わず誰かと話したくなるような、おもしろいものに変わっていきました。そんなおもしろさを、みなさんにもぜひ味わってほしいなと思います。

 

 

 

◎教員PROFILE

野村 健太郎 准教授

早稲田大学 大学院 法学研究科 博士課程 満期退学。博士(法学)(早稲田大学)。専門は刑法学。特に、裁判で有罪とされた人の刑罰の重さを決める「量刑」について研究を重ねている。日本刑法学会に所属。著書に、量刑を刑法学の視点から論じた『量刑の思考枠組み』(2020年、成文堂)。

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